【VFR800Fバネ交換】ハイパープロフォークスプリング!インプレとバネのセッティング豆知識
公開日:
:
最終更新日:2023/09/04
VFR800F(整備・カスタム), バイク, 商品購入系 レビュー&インプレ, 比較・検証系(雑学系)
こんにちわ、紫摩です。
僕は以前からVFR800Fは「動きが悪い」とか「曲がらない」とか「乗りにくい」とかさんざん批評してきました。
でもそれはおおむね足回りが悪さしていると睨んでいました。
※これは事実ですので『悪さ』とあえて言います。
そこで足回りのモディファイ、サス交換を前編後編でお届けします。
まずはフロントバネ交換から。
ハイパープロ:乗り心地がいい、強い衝撃はグンと踏ん張る
ただしセッティングが難しそうなスプリングです。
VFR800Fのフォークスプリング交換
フォークの中にスプリングが入っています。
これを外して交換するだけです。フロントはめっちゃ簡単です。
なので今回は“スプリングのうんちく系”でまとめました。
なお、フォークの分解方法は前回のブログにて参考にしてください。
関連ページ:VFR800Fフロントフォークオーバーホール|Mysimasima
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ハイパープロは不等レートでバネ径も太い
フォークスプリングは色々な形状でレート(反発強さ)が決まっています。
- ばね径
- ばねピッチ
- 巻き数
- 自由長
- ID
こういったもので硬い、柔らかいが変わります。
そしてバイクの足回りセッティングで一番重要なのがスプリングです。
- 上:ハイパープロ
- 下:VFR800F純正
間隔が狭いと柔らかく、間隔が広いと固くなる。
多くの純正採用は2段レート(下側)と言われるものが主流で、街乗りの弱い荷重では軽く動かし、強い荷重ではそれなりに反発させるという合理的な構造になっています。
ただこれのデメリットは、ある時突然突っ張ったようになったり急ブレーキで一気にズコーンと沈んでしまうといった難しい形状でもあります。
それをオイル量(油面と言う)を増やして、空気ばねの反発を強めて誤魔化すというのが純正フォークの多くです。(スポーツバイク、高級バイク除く)
ハイパープロの特徴としてコンスタントライジングレート(プログレッシブレート)と言われる構造があります。
これはピッチ(間隔)が一定ではなく、画像のように不等間隔で作られています。
ハイパープロは適当でもばねが仕事をする
画像引用元:ハイパープロ
不等レートでは間隔が均一ではないので、柔らかいところから固い部分までシームレスにつながっています。
(正確にはプログレッシブで、最後に反発が立ち上がるという物です。)
この最後の立ち上がりが注目ポイントです。
ばねの太さが違うとどう変わるか
- 純正:約5㎜
- ハイパープロ:約5.5㎜
ばねの太さが違います。
太いということは反発が強いという意味もありますが、もう一方で振動数の概念も入ってきます。
例えばギターの弦で太い6弦側は低い音、1弦側は高い音になります。
太いばねは重くて振動数も少なくなり、衝撃吸収が増え、反発が穏やかという風に言われています。
逆にスポーティに走らせたかったら、細いばねで間隔の広い巻き数の少ないばねを使うと反発が速くていいということになります。
街乗りの快適性を活かしつつ、スポーティな足回りにできるということでおすすめします。
指定フォークオイル量もかなり少ない
(Amazon)油面調整ツール
フォークオイルの油面は、こういう道具で余分なオイルを抜いて調整します。
基本的にフォークオイルの量と言うのは空気を圧縮した時の反発力(空気ばね)を得るためのもので、オイルをたくさん筒の中に入れるとパツパツになってコシが強くなります。
ただこれもデメリットがあって、たくさんオイルを入れると強い衝撃に耐えられますが、その分ボヨンと帰ってきやすくなったり弱い荷重では動きにくい足回りになります。
逆にハイパープロはスプリング単体で反発を仕事させられるので、オイル量(反発)に頼る必要がなくなります。
そこで油面が140㎜とか160㎜とかすごく少ないオイル量になります。
動き出しがかなり軽く、超スムーズに感じます。
本来純正スプリングでこんなことやると、ふわふわしすぎて乗れたもんじゃないです。
しかも前ブレーキで急激に沈んでしまい、かなり危険なので真似しないように。
セッティングはどう?
このばねのセッティングはかなり難しいと思います。
2点あげられると思っていて、まずはプリロード。
プリロードとはあらかじめ縮めたり緩めたりすることで、沈み込みの強さや高さを変えられます。
ハイパープロで調整すると、ピッチの細かいほうが先に縮んで相対的に硬くなりやすく、緩めると柔らかさが際立ちます。
短い範囲で大きく変わってしまいます。
プリロードも基準値よりも緩めています。これだとアクセルオフだけで沈んでボヨンボヨンです。
この辺り体重によって差があるのでセッティングは難しい。
もう一つが反発力。
強い衝撃の後、一回ボヨンと反動が来るのが気になります。
減衰を抜いたり、体重に合わせて油面の微調整などで変わると思われます。
セッティングを全くしない工場出荷状態では、割とハードなセットです。
まとめ&走った感想
VFR800Fの純正フォークでは動きがもっさり、反発も弱め。ブレーキかけるとずどんと沈む。
一方でハイパープロスプリングはストローク量が少なく反発強くて沈みません。
1G’でほぼ沈まないのでこれ固いんじゃね?って思ったのですが、きれいなバイパスでは割と快適。
しかし8の字とかちょいスポーツ走行では真逆の感想。
そのままではすぐに1G’位置に戻ってくるような、反発力が強く、ラインが決まりません。
それを嫌ってプリロードを緩めると、今度はアクセルオフだけで動き、ブレーキをかけると一気に沈んで一気に跳ねます。
何度も言いますが、わざと強い荷重をかけていくような乗り方だと、最後の最後でボヨンと一瞬、反発でフォークが伸びます。
弱くブレーキをかければ問題ないですが、重いVFRはバンク角ばかり深くなります。
旋回中にグッと踏ん張らせたい人がハイパープロフロントスプリングを付けるとかなり悩むと思います。
こちらの記事も参考にしてみてください。
いずれにせよ、ノーマルよりは動きが速くなったので、街乗り+スポーティーに走りたい人には面白いカスタムだなと思います。
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