バイクのタイヤ、太さ変更のメリットデメリット『幅より扁平に注意』
バイクのタイヤサイズを変更して走りを変えたい、もしくはタイヤバリエーションの選択肢を増やしたいと思った時はどうすればいいのか。
今回はVTR250について書いていきますが、CBR400RRやCBR125Rでもサイズ変更をして取り付けていましたので、僕が思う良いところ悪いところを紹介します。
※僕の感じたフィーリングで書いてますのでネタ的に見てもらえたらと思います。
バイクのタイヤサイズ変更について
バイクのタイヤサイズ変更と言うと、主に幅を変えることをいう事が多いです。
「タイヤ幅を太くしてグリップ力を上げたい」「欲しいタイヤに指定サイズが存在しないから妥協して選ぶ」、、、など。
そう考えた時に注意しなければならないポイントがいくつかあり、それの複合で考えていかなければいけません。
- 幅
- 偏平率
- 外径
- ホイールリム幅
- タイヤ銘柄(ラジアル、バイアス)
走りに影響してくる部分ではプロファイル(形状)と外径です。
街乗りでは分からないけど、ジムカーナではかなりシビアになってきます。
幅はワンサイズが無難
まず幅を増やすことのメリットは接地面を増やしてグリップ力を良くしようというのが目的です。
よくネットで言われているのが「幅を増やすと面圧が下がるからグリップ力は低くなる」と見たことはないですか?
確かに理論上はそう。でもそれはタイヤ単品を地面に置いた時の話。
ジムカーナでは荷重(車重、体重、遠心力)やバンク角や空気圧によってグリップ限界はかなり変化しています。
フルバンクでの走行ばかりなので、幅を広げたほうが高速セクションのグリップ力は上がります。
これはタイヤのアールの形状にもよるので一概には言えませんが。
偏平は極力、外径を合わせる
タイヤの幅の何割分の厚みか、というもので50~70偏平が主流でしょうか。
これを60⇒70に上げるなど、ワンサイズ上げるまたは下げるとタイヤの外径が変わってきます。
これで困るのが減速比が変わる事。早い話がスプロケットを換えたのと同じ効果が表れてしまう事。
- 140-70/17⇒150-60/17・・・-2.6%ローギア
- 140-70/17⇒150-70/17・・・+2.18%ハイギア
- 150-60/17⇒150-70/17・・・+4.66%ハイギア
上記からわかることは、幅が増えるよりも偏平率が変わる事の方が速度誤差が大きいという事。
偏平率が上がると外径(外周長)が大きくなり巡航速度も上がります。という事はハイギアードになって加速が弱くなります。
その逆も然り、タイヤ外径が小さくなると加速寄りになります。
タイヤの幅を変更する事のメリットデメリット
結論から言うと、サイズアップはあまりメリットは感じませんでした。
デメリットの方が目立つ気がします。
ではなぜサイズ変更するか、それは使いたいタイヤ銘柄に希望のサイズがないからと言うのがあるのではないでしょうか。
中小排気量のバイクならバイアスタイヤは沢山あってもハイグリップタイヤの選択肢が無い事が多いです。(特にフルサイズ125は。)
※ビッグバイクの場合は、逆に僕自身が乗ったことが無いのでタイヤの話は割愛します。。
タイヤのプロファイル、形状が変わる
タイヤのグリップ力が上がるというのは若干語弊がありますが、グリップ限界は高くなります。
と言うのもプロファイルの違いで結構変わってくるからです。
僕が感じたのは適正サイズだとタイヤの端まで使えるようになっていますが、ワンサイズ太くするとタイヤが丸く尖った形になります。
こちらは140-70/17から150-60/17へ変更したイメージと思ってください。
皆さんが考えている「タイヤを太くする」というのはこういうイメージではないでしょうか。
深いバンクで安定するようにできています。
ホイールを交換してリムサイズを太くすればこれが実現できますが、通常はそうじゃないです。
画像引用元:ピレリ
実際はこうです。
注目してもらいたいのが角の形状です。
幅を広げて偏平を下げるとリムに引っ張られやすくなります。(70⇒60偏平)
形状は若干丸みを帯びて、フルバンクまで寝かし込みが止まらない感じでバンクしていきます。
両端の部分はほぼ垂直になるためタイヤの端は使えません。使おうとすると車体の一部が接地するか転倒です。よって現実的にはアマリングができます。
実質上の接地面積的には140サイズも150サイズも大して変わりませんが、フルバンク時の最後の最後まで粘る感じがしました。
これがグリップが上がるように感じる一つの理由だと思いました。
※ちなみに偏平を上げていくとこの丸みは取れていき、端まで使えるようになります。恐らくリムで引っ張る影響が緩和されるものと思われます。
外径が大きくなるとデメリットが増える
太いタイヤ、幅のデメリットはあまり無いですが、偏平率に関して言えば純正指定サイズより大きいタイヤ、すなわち外径が純正よりも大きくなると弊害が出てきます。
まずインナーフェンダーにヒットします。
スイングアーム短縮加工してギリギリで詰めている車両であればタイヤ外径が約10㎜変わると前方にヒットしてホイールが取り付けできません。
車高が変わるのでリアサスの全長を変更するorフロントフォークの突き出しを変えるしか方法は無いです。
そうなってくるとセッティング変更せざるを得ません。
それだけじゃなく、速度の誤差が出たりジムカーナでは加速具合が変わるのであまり変更はしない方が無難です。
純正よりも外径が小さくなると加速が良くなりますがスイングアームの角度が変わったりバンク角が浅くなったりします。(フルバンク時に車体が接地するため。)
ただ、外径が大きくなることに比べればそこまで気になるレベルではないです。(紫摩の感じ方)
タイヤ交換まとめ
ハイグリップタイヤに換えたいけど指定サイズのラインナップがない、と言う場合でワンサイズの幅変更なら普通に問題なく取り付けできます。
その際に幅を広げた分、偏平を一つ下げるのがセオリーです。(設定が無ければ同じでよい。)
外径が大きくなるとマシンによっては干渉する部分が出ることがありますが、基本的な使い方であればまず大丈夫です。
そしてタイヤサイズを少し変えたところでグリップ力の違いを感じることはまずないです。これでわかる人は上級者でしょう。
バイクの車体バランスというものがあるので、無理に替えてもいいことはないです。
ちなみに僕のVTRは純正サイズが110-70/17(フロント)と140-70/17(リア)のところをワンサイズ上げて120-70/17と150-60/17にしています。
これはピレリ スーパーコルサV2(今はV3)でよく流通しているサイズがこれだったというのと、バンクさせたときの転がり方が素直なのでこれを履かせています。
ジムカーナでタイヤの端ばっかり減ってくると今度はどんどんハンドリングがピーキーになってきて切れ込む感じになるので、やっぱりセッティングは新鮮なタイヤでやるべきです。
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