【CBR400RR(NC29)レストア】其4:LCGフレームの恩恵と扱いやすい速さ(走行性能のインプレ)
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1994年式の最終型CBR400RR(通称ヨンダボ)を修理して起こしてみようという事で、レストア(というほどではないが)に着手しています。
今回は其4ということで、長くなりましたがひとまず最終章、総評と走ってみた感想を書いていきたいと思います。
低速・高速コーナー、切り返し、小旋回、急加速・急減速が詰まったジムカーナでどんな感じ走るのかキャラクターを探ってみました。
ジムカーナに使ってみてわかったこと
バイクを仕上げても盆栽として置いておくのはもったいない。走らせてなんボ、ということで気になる走行インプレです。
この最終型はいわゆる“自主馬力規制後”のもので、パワーやトルクが抑えられたモデルです。
カム形状の見直しによって吸気・排気のバルブタイミング(開閉時期)の変更に加え、圧縮比や排気系も変更し、日常使用する機会の多い中低回転域での力強いトルク特性と俊敏なレスポンス性を一段と向上させた。
とありますが、実際の使用ではどうなのでしょうか。
【関連動画】
こちらは香川県のジムカーナ練習会『MSGC』での試走動画です。
高回転の伸び
規制後のモデルなので全体的にマイルド方向に振ってあります。滑らかとか扱いやすいといった感じでホンダらしいと言えばホンダらしい感じ。
スペックとしては400cc、4気筒、53ps/13000rpmという事で、当然ながら2stのような飛び上がるような加速はしません。
ただ、コンピューターで制御しているのではなく単にインシュレーターとマフラーの交換で簡単に前期のパワー(59ps/13000rpm)近くまで出る仕組み。
さすがにレーサーレプリカというだけあって高回転になるとそれなりに速いですし、レッドゾーン付近でも伸びは変わらず回っていきます。
10000回転からのレーシーなサウンドはかっこよすぎます。
低速トルク
もう一つバイク選びで重要なポイントといえば低速時の取り回しや旋回性能です。
ジムカーナではこの低速トルクのないバイクは扱いにくいのですが、もれなくこいつも該当します。
5000回転以下ではエンジンの回転上昇が鈍い。特にフルロックを当てていく走り方では顕著に現れてしまいます。
エンブレも強いのでフルロック時には車速が落ちすぎてしまい、そこからのトルクの盛り上がりが弱いためVツインのような小回りはできませんでした。
低速時はアクセルを当てるタイミングが遅れると簡単に内側に倒れてしまいます。
ギア比の変更で加速寄りにすれば多少はマシになりますが…
とは言っても400ccなのでクラッチをつなぐだけで進みます。
125ccみたいに簡単にエンストもしないので普段乗りでの使い勝手はいいでしょう。※セパハンは手が挟まりますので注意w
コーナーでの切り返し性能
さすがレーサーレプリカ。このコーナリング性能のカテゴリーは言うことありません。
LCGフレームでのマスの集中や全体のバランスがいいのか、切り返しがめちゃくちゃ楽で寝かし込んでも安心感があります。
そりゃ峠でバリバリ飛ばす人が現れるわけだ。
補足としまして、フロントフォークは減衰なしのいたって普通のサスで、リアサスペンションに至ってはガスが抜けているものでの判断。
そんな状態でもそこそこ走れるのはさすがヨンダボだと感じました。
VTRもスリムで軽いので切り返しではパタパタ寝ていくのですが、CBR400RRもそれに近い感じです。
さすがにモタードやミニバイクのようにはいきませんが、割と軽快に楽しめるのではないでしょうか。
高速コーナーでの性能
タイヤはボロボロでスリップサインの出たディアブロスーパーコルサで試したのですがいたって問題なしです。
シート高が低くてニーグリップもやりやすいので腰を内側に落としやすいというのもあるのでしょう。
峠とかツーリングなら限界とは程遠い速度域なので、競技よりも気持ちよく流せるかと思います。
現行のスーパースポーツの方が技術が進歩してもっと洗練されているとは思いますが、これもこれでアリだと僕は思います。
CBR400RR(ヨンダボ)の総評
L.C.Gフレームという低重心(Law Center of Gravity)を狙ったフレームが特徴的なヨンダボですが、このマシンの良いところ悪い所、これから購入される方の参考になれば幸いです。
悪い所
- マシン的に中途半端
- エンブレが強い
- パーツが欠品していることが多い
- 完調にするまでにお金がかかる
一つ目は全体的に中途半端な位置づけだということ。
自主馬力規制で59ps-4kgf/mが53ps-3.6kgf/mにデチューンされた点で、車重の似ているCBR600RRになればもっとバランスよくパワーが出て戦闘能力も高い。
CBR1000RRになれば言わずもがな。
どうせ車検を取るなら大型を…と、400ccに対してもったいない感じも否めません。
スペックだけ見るとそう言えますが、実際はめちゃくちゃ速いし乗りやすいです。数字よりもかなりパワフルに感じます。
数字だけ見ていろいろ批評する人はまずバイクに乗ってみてほしいです。
もうひとつのデメリットはエンジンブレーキが強いこと。
4気筒なので仕方ないのですがターンで減速しすぎてしまう傾向にあります。
本来ジムカーナみたいな使い方をする乗り物ではないんですが…
良いところ
- 古くても高値で売れる
- 扱いやすい
- 整備性を考えた造り
- 壊れない
かっこいいとか速いとかそういう当たり前なところは置いといて・・・
逆にいいところは名車なので人気が高くて中古市場でも値が下がりにくい点。
現状販売なら10万~、不動車でも外装が綺麗であれば20万~、ノーマル車で動いていれば35万~、完調でバリモノは50万と結構差が大きいですが、綺麗にレストアすれば1990年代の旧車なのにもかかわらず結構高値が付いています。
これは通称“ニダボ”のCBR250RR(MC22)も同じでしょう。
壊れにくい点でもさすがはホンダ。ゴムやベアリングなどの消耗部品は別として、エンジンをぶん回しても転倒しても全然壊れません。
整備性もよくて自動車でいうトヨタみたいな感じがしました。
このあたり綺麗に乗っていれば20数年たった今でもまだまだ現役で走れるというのが何よりものメリットではないでしょうか。
【関連動画2】
ヘルメットマウントでの視点。
アップハン化とスプロケショート化した簡単なレビューと感想の動画です。
ノーマルじゃなくアップハン仕様なので参考までに。
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