バイクのハンドリングを決めるのはキャスター?トレール量?コーナリングの特性の違い
公開日:
:
最終更新日:2023/12/17
バイク, 比較・検証系(雑学系)
こんにちは、紫摩です。
今回はちょっと難しい話なのでついてきてくれたら嬉しいです。
足回りで誤解している人も多いアレです。
- キャスター
- トレール量
この二つについてハンドリングがどう変わるのか、旋回性能はどう違うのか、何がよくて何が悪いか解説していきます。
バイクの足回り、キャスターとトレール量の関係とは
先に結論を述べておきます。
キャスター・・・フォークの傾き具合
トレール量・・・タイヤ接地点とハンドルセンターのずれ
キャスター
- 23°~24°…SSバイク
- 25°~26°…ネイキッドツアラー
- 28°~30°…クルーザー
・機敏にスパッと切らせたい方は立てていきます。
・寝れば寝るほど
・立てていくと切れ込み具合がシャープになっていく。
トレール量
- 70~80㎜…ミニバイク
- 100㎜前後…ロードバイク
- 110㎜以上…クルーザー
・大体100㎜ちょっとがバイクでは主流です。
・増えるとハンドルが戻ろうとする力(復元力)が強いため、ハンドルが重くグリップ感が増える。
・数字が小さくなるとハンドルと接地点が近づいてやたら軽くなるがグリップ感も減る。
市販車のキャスターとトレールはどれくらいが適正?
先ほどお伝えしたキャスターとトレールなんですがトレール量が少なくなると転倒の危険が増すという特徴があります。
HONDA VFR800F
キャスター 25°30’
トレール量95㎜
HONDA レブル
キャスター角 28°
トレール量 110㎜
ぱっと見で分かるくらいトレール量が違いますね。
前タイヤの外径が大きくなるとトレール量が増えて、直進安定性が高まる方向になります。
ノーマル状態が無難だと思います。
トレール量はハンドルのオフセット(中心からフォークがどれだけ離れているか)が変わらない限りは変更できないので、前後の車高で調整したりします。
トレールが減少すると転倒の危険が増すってどういう事?
ここからは郵便配達員の僕がいつもこれ怖いなって感じていることを書きます。
カブPROはやけにハンドルが軽くて、スラロームするとフロントからすっぽ抜けます。
トレール量がかなり少なくてヤバイ。
実際の経験での話ですから、理論上食い違っているかもしれません。
この二つのバイクを見比べてみましょう。
スーパーカブ110とスーパーカブ110PROです。
PROとの違いは郵便配達員が乗っている郵政カブと同じで、前にかごがついており、ホイールが14インチとなっています。
スーパーカブ110
キャスター角 26°30′
トレール量 73㎜
17インチバイクなのにミニバイク並みのトレール量で、間隔としてはロードバイクよりもハンドリングがかなり軽く感じます。
さすがカブ。
タイヤが細いので旋回性能はすごくいいです。
スーパーカブPRO110(14インチ)
キャスター角 26°30′
トレール量 57㎜
タイヤホイールが17インチから14インチになったカブPRO。
トレールが極端に少ないのでハンドルの中心とタイヤの接地点がほぼ同一。
ハンドリングが極端に軽くて、前に荷物を大量に載せたとしても左右の取り回しが楽に感じます。
デリバリーに特化したバイクです。
ただこれが問題なのが旋回したときのフロントタイヤのグリップ力です。
旋回したときにトレール量が少ないとこける理由
トレール量が少ないとバンクしてハンドルが切れたときに接地点が前に前に移動して、最終的に接地しなくなり、グリップ破綻するそうです。
この原理を調べたのですが実際朝が来たので書くのはやめます。
なのでトレール量はハンドリングと安全性の観点からだいたい100㎜ぐらいになっているそうです。
やっぱりメーカーが決めたバランスってちょうどよくなっているのですね。
トレール量の数字が増えるとグリップ力が増して、減るとハンドルがかなり軽くなります。
一本橋や低速バランスを極めるのであれば、ハンドルは軽くバキバキ切れたほうが僕はやりやすいですけどね。
まとめ
今回はキャスターとトレール量のお話でした。
詳しくはこちらの動画で紹介してくれました。
VFR800Fの足回りが全く解決しないので聞くと、VFR800Fと言うバイクは特殊だということが判明しました。
やっぱり特殊なバイク。
結構難しいけどそうやって悩むのもまた楽しいです。
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