【バイクのスプリング交換】バネレートとプリロードセッティングで走りはどう変わるか
リアサスセッティングって難しいですよね。減衰とか車高とかプリロードとか・・・
調整で済む範囲で収まらない場合は、バネやショック自体が合っていない可能性が高いです。
僕はナイトロンのリアサスに4種類のバネを替えたぐらい、セッティングにかなり頭を悩ませてます。
という事でタイトルにもあるようにスプリングを換えてどう違ったのか僕なりにレビューをします。
サスペンションのプリロードと車高とバネレート
リアサスメインで見ていきます。
セッティングには主に
- バネレート
- プリロード量
- 減衰調整
- 車高調整
の4つが挙げられます。(今回は車高調整は省きます。)
車両や乗り方に合わせて乗り心地をよくすることが目的です。
ただ、ジムカーナという競技で言えば必ずしも乗りやすいとか扱いやすいというのがタイムに直結しません。
『不安に感じるけどターンが決まるセッティング』もあるので、フィーリングの善し悪しを決めつけないようにしたいところです。
バネレート
太かったり巻き数の増減などで固さが決まります。
ジムカーナでは速度が上がると必然的に荷重が強くなって最大沈みこみ量が増えます。
柔らかすぎるバネだとバンプラバーへ底付きしたりしてよくないです。
逆に固すぎすぎると今度は荷重移動がうまく使えず、タイヤ依存になってしまい滑りやすくなってしまいます。
中低速ターンではしなやかに沈んでもらいたいが、一気にかかるところでは底付きを防ぎたい。
純正のバネはよく考えられて設計されていて無難と言うのはこういう所にも表れてきます。
プリロード
プリロードとは、バネレートでは補えないライダー乗車時(1G’)でのサグ出しがメインですが、ジムカーナでは静止状態は考えません。
簡単に言えばプリロードを締めると開始ストローク位置が高くなり最大沈みこみ位置も同じだけ上がるのでストローク量が確保できます。
プリロードを抜くと弱い荷重からサスが動き始めます。
ある程度締めたほうがアクセル開度0~20%程度でのトラクションをかけやすく、回転(360度ターン)では安定していて調子がいいです。
締めていくにつれてサグが減って車高が上がり、低速時に反発が強い乗り味になります。ピーキーな感触。
極端な話、0(ゼロ)プリロードにするとバネの本来の動きを活かせますが、弱い荷重でも動くので全体的にフワフワします。
バネを替えてみて走りはどう変わった?
- 線形が細いと柔らかい、太いと固い
- 自由長が長いとマイルド、短いとピーキー
- 巻き数が多いと柔らかい、少ないと固い
- 内径が大きいと柔らかい、小さいと固い
これの組み合わせでバイクの動きが結構変わってきます。
純正では乗り心地優先で、不等間隔スプリングや内径が途中で大きくなってたりします。
ナイトロン10kg/㎜バネ
純正が16kg/㎜なのでバネレート的にはかなり柔らかめ。走行中、常にリア下がりになっていました。
緩いセクションと回転はリアを軸に回せてとにかくやりやすいです。
逆に切り返しは激遅です。
立ち上がりもリア荷重過ぎて向きが変わりにくいのでアクセルオンのタイミングが遅くなりがちです。
沈みすぎる傾向にあるので、必然的にかなりプリロードかけて調整することになります。
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オーリンズ13kg/㎜バネ
それなりに動きが分かりやすくてなおかつ沈みすぎない感じ。
これも10キロバネほどではないですがプリロードを結構かけないと沈み量が多めです。女性など体重の軽い人はいいのかな?
線形が太くて巻き数も多いので動き的には割と落ち着いた感じの乗り味です。
乗り心地がいいと評判のオーリンズは、やはりバネがマイルドな感じなのでそういう動きになるのかも。
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アイバッハ15kg/㎜バネ
このアイバッハのバネだけで言えば、線形(バネの太さ)が細めでかつ巻き数が少ないのが特徴。
固有振動数が増えるのでバネの反発が強くなってピーキーな感じになります。
ギターで言うと細い弦を引っ張っている感じ。
柔らかいバネに比べて当然沈み込んだ時のコシが出て強い荷重に耐えられますが、反面跳ねやすくなりました。
跳ねるという事はリアが抜けて前荷重になりやすいという事。かなり切れ込みやすくなってしまいます。
スポーツ走行ではメリットですが、CBR400RRのショックとの組み合わせは×。伸び側減衰が足りない感じです。
バネレートを下げるとソフトな乗り心地
柔らかいので乗り心地が良くなり、沈ませやすくなります。
スイングアームも水平に近づくので、低重心になって小旋回はやりやすい状態に近づきます。
一方で強い荷重には耐えられないので、大きいコーナーでアクセルを開けていくセクションでは曲がらないどころか滑ります。底付きもしやすくなってプリロードで対処する羽目に。
それでもだめな場合はバネレートを上げたほうがよくなります。
バネレートを上げると反発が強くなる
バネレートを上げて沈み込みに絶えてそれで解決!…とはいきません。
強い荷重を受けたら同じだけ跳ね返ります。
短く細いバネであればあるほど吸収することができず、ピーキーに反応します。
小旋回でサスを沈めていない状態でのアクセルオンでは反応が良すぎてふわふわしたり大回りになったりします。
伸び側減衰で対応するのが基本ですが、反発を抑えるためにサスの動きを鈍く、切り返しを犠牲にさせてしまっては本末転倒。
ただ、それを活かして機敏な切り返しやライディングを可能とするので、技術が伴えばかなり戦闘力が高くなりそうです。
プリロードは抜きすぎてもかけすぎてもダメ
自動車のサスでは0プリから少しかけた程度の方が乗り心地が良くなってメリットと言われますが、モトジムカーナではそうは感じませんでした。
プリロードを抜く事のデメリットは弱い荷重の時からサスが動いてしまう事にあります。フワフワしてしまう感じですね。
沈み込みLOを強めたとしても、動くことには変わりないので回転ではフロントまで影響しちゃってめっちゃやりにくいです。
逆に締めこんでいくと中速から高速時はいいけど伸びストロークが少ないので切り返しが弱くなります。(勢いよく伸びてくれた方が切り返しが速いが怖い。)
まとめ
ジムカーナでは低速の旋回性能と立ち上がりの加速が重要になってきそうです。
そこに合わせてしまうと切り返しや高速セクションで鈍くなってしまってロスしがち。
高速側に合わすと低速や切り返しが苦手。切り返しに合わすと高速や回転でふわついたり曲がりません。
バイクのスイングアームにはアンチスクワットと言う特性もあって、水平に近づくほどアクセルオンの時に荷重が逃げやすく、立ち上がりで押し出し感がなくなってロスします。
このあたりは使ってみてどこに合わせるかを何度もデータを取って合わせていくしかないですね。
そしてVTRのような非リンクタイプのリアサスでは低速と高速、弱い荷重と強い荷重での万能セッティングは出来ません。
ここでもサスセッティングはある程度妥協しないと、バイク頼りではセクションが変わるとうまく行かないかもしれません。
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