ベネリTNT125を試乗、グロムと比較インプレ!これは買うべき?加速や足つき、乗り心地は?
こんにちわ、紫摩(しま)です。
イタリアメーカー『BENELLI(ベネリ)』と言う所が出している125ccクラスミニバイク、TNT125が日本に上陸です。
試乗した感想を良いところ悪いところ含めて紹介します。
これはどういう使い道が楽しいのかよくわかっていませんが、競技は出来る?足つきは?など気になることが多いです。
TNT125のとはどんなバイク?
画像引用元:Benelli
1911年から受け継がれる真の情熱。
というキャッチフレーズから始まるこのベネリはイタリアのメーカーで、最近日本でも話題になっています。
やっぱり日本車とは違ったデザインで、オシャレな見た目が特徴。
ユーロスタイルと言った感じかな。
昔から海外はデザインの最先端を走っていて、日本の自動車も「これ昔の外車みたいな見た目じゃん」っていう感じに思います。
ほか2車種とのスペック比較
ホンダGROM(2021)とカワサキZ125Proと、このベネリTNT125とスペックのみを比較してみました。
TNT125 | GROM(2021) | Z125Pro | |
---|---|---|---|
全長×全幅×全高 (㎜) | 1770×760×1025 | 1760×720×1015 | 1700×750×1005 |
軸間距離 | 1215㎜ | 1200㎜ | 1175㎜ |
シート高 | 780㎜ | 761㎜ | 780㎜ |
車両重量 | 124㎏ | 102㎏ | 102kg |
エンジン | SOHC4バルブ | 空冷4ストロークOHC 単気筒 | 空冷4ストローク単気筒/SOHC 2バルブ |
ボアストローク比 | Φ54.0×54.5㎜ | Φ50.0×63.1㎜ | Φ56.0×50.6㎜ |
圧縮比 | 9.8:1 | 10.0:1 | 9.8:1 |
最高出力 | 8.5kw/9500rpm | 7.4kw/7250rpm | 7.1kw/8000rpm |
最大トルク | 10.0Nm/7000rpm | 11Nm/5500rpm | 9.6Nm/6000rpm |
ミッション | 5速 | 5速 | 4速 |
これを見ると、軽さはダントツで日本車2台が軽い。
パワーはどっこいどっこいですが、唯一TNT125だけ4バルブ。
そしてエンジンも縦型エンジンなのもTNT125の特徴。
要するに高出力、高回転まで回るエンジンキャラクターだという事。
まぁ実際走ってみた感想で言えば、グロムの方が断然パワフルでゼロ加速の信号ダッシュ力は速い気がしますw
関連ページ:TNT125がグロムよりすごかった|Mysimasima
さすがイタリア、デザインが秀逸
僕が初めに一番の違いと思ったのはスペックどうこうよりもまず見た目!
このデザインがカッコいいし斬新すぎる。
サイドのシュラウドはこの手のミニバイクと似たようなデザインですが、倒立フォークのアウターがシルバー。
ん?その後ろに見える赤い物は?
ドゥカティやKTM、日本車で言えばVTRみたいな感じ。
つや有りの赤色に塗られている所がまたニクイ。
2本だしアップマフラーもカッコいいポイント。
こんなミニバイク、なんか豪華すぎる。
日本車にはないデザイン。
でもTNT125はそのまま細身サイレンサーが二つ。
メインパイプは耐熱ブラックの質素なものですが、見えるところはステンレス製。
音質は下記記載。
フェンダーレス仕様
ナンバーは最近のバイクで見かけるようになった泥除けにマウントされているタイプ。
ショートテールですっきり。
これはいいな。
日本車の後ろに伸びたものが嫌だという人が多くて、社外品でフェンダーレスにしますよね。
でも逆にペラペラナンバーだけ宙ぶらりんになっている見た目は好みじゃない、、、。
僕はしっくりこないのであまりいじりたくないんです。
このJC61後期グロムのデザインもストファイチックで素晴らしくて好きなんですよね。
灯火類デザイン
ヘッドライト、ウインカー、テールランプ等の灯火類がやっぱり斬新。
フロントマスクは4眼プロジェクター風LEDヘッドライト、ポジション、ハイビーム。
安っぽいと言えばそうなんでしょうが、車両価格32万でこれならアリ?
ウインカーは小さめ。
よくみんなが細身の汎用LEDに換えるまさにあれと一緒。
後ろから見るとスクーターみたいな見た目。JOGとかそのあたり?
ウインカーがテールカウルに埋め込まれているのもいいですね。シュッとしています。
カッコいいから見た目だけで選んでもいい気がしてきました。
※ここまで「カッコいい」としか言ってないな…インプレになってない。
マフラー音
先ほど取り上げたマフラーなのですが、音もめちゃくちゃいいんです。
アイドリング音
TNT125「ポポポポポポポ」
グロム「タカタカタカタカタカ」
空ぶかし音
TNT125「ブオオオン、ブオオオン」
グロム「ストトトン、ストトトン」
加速音
TNT125「ブオオーーー」
グロム「ガァアー」
排気音、ノーマルグロムはエンジン音の方がうるさいぐらいですがTNT125は排気音が聞こえてきます。
社外品の静かめJMCA規格マフラーぐらいの音量。
静かながら音質が重低音、ジェントル。
文章で言い現わせにくいけど、これぞまさしく外車の上品さって感じ。もうマフラー交換しなくていい。
シフト周り、サイドスタンドの仕組み
ステップは可倒式ですがスプリングがついていないので畳んだままになっています。タンデムステップと同じ仕組み。
乗る時は戻して使用します。
シフトフィールは良好。入りもスコって感じで軽いです。引っかかりは皆無。
5速MTなので坂でもパワーバンドを外しにくい、高回転を使う走りができそう。
サイドスタンドを跳ね上げないとエンジンがかからない仕様になっています。
スターターモーターは回るけど点火しない仕組み。
走行性能
いくら見た目ばっかり良くても肝心の足つきや走行性能がゴミみたいに乗りにくいのでは話にならない。
シート高780㎜は正直ミニバイクの中では高い方。
Z125Proと同じ高さ。
シートは高いが足つきは良好
跨った感じはグロムより絞られているのか細身ボディで足がスッと伸ばせます。
ニーグリップもやりやすい。
それこそZ125Proのフィット感に近いものがあります。
もちろん身長146㎝の妻は片足ツンツン。
でもそこまで苦にならないそう。
JC61後期グロムはこのニーグリップがやりにくい。脚にフィットしない。
タンクカウルが丸くなっているので股が広がる。太もも全体じゃなく頂点で当たる感じ。
フラットシートで前の方はかなり細身のシート。シュラウドに膝を当てるとばっちりフィット。
そして意外とシートがふかふかで柔らかいんです!
快適そのもの。
スポーティーさで言えば硬い方がいいんでしょうけど、TNT125ならお尻が割れることなく長距離でも痛くならないね。
走行フィーリングも突き上げ感が無いのも合わさってかなり快適。
ハンドルポジション
シートにドカ座りしてかかとが浮くくらい。
そしてハンドルは手前のかなり低めに感じます。
これはちょっと乗りにくい。
絞り角は緩め。オフ車みたい。ストファイ。
ハンドル径は22.2㎜だとは思うのですが、見た感じテーパーハンドルのようにも見えます。
リサーチ不足。
でも不満なレベルのポジションではないからこのままでも誰でも乗れそう。
メーターが見えますね、若干チープ。
タコメーターのレスポンスが悪くて若干遅れるしカクカクしてリニア感にかけます。
このあたりは値段なりでしょうか。
でもアナログ(針)タコメーター仕様は個人的に大満足。むしろ現代のバイクでもタコメーターはアナログも残してほしいと思う。
強いブレーキをかけたら跳ねますが、グロムみたいにばいーんって言うことは無い。
このあたりはスポーツ走行をしていないので割愛。
試乗した感じは段差の底付き感、突き上げ感、腰砕け感はないです。
縦型エンジンパワーはどうか
カタログでは8.2Kw(11.2ps)/9500rpmとなっています。
レブまで回した時にグロムやZ125Proと伸びが違ってくるでしょう。
ただ、信号のゼロ発進はCBR125Rと一緒ぐらいです。
トルクは10Nm(1.0kgf/m)/7000rpmなので、体感的にはCBR125R(水冷)の加速力にはさすがに及びません。
ただ、軽いからなのか、最高速は110km/hぐらいまで出るらしい。ミニバイクで?すごくない?
そのためか、オイルクーラーが標準で装備されています。
中にはこれをデメリットとして捉える人もいるかもしれません。「着けざるを得ない何かがある」と。
リアサスは柔らか目
この白い試乗車と、赤い新車では若干フィーリングが違ったのは下手っているからとかそういうものがあるかもしれません。
その違いを抜きにすると、グロムの棒みたいなリアサスよりはかなり乗り心地がいい。
柔らかめ。
スプリングが6.5巻。グロムが5巻。
巻き数が多い方がレート(荷重に対するストローク量)は同じでもしっとり動きはマイルド方向になります。減衰力を上げたような感じ。
逆に少ないと跳ねてゴツゴツ硬い感じがします。
しかもノーマルで無段階プリロード調整機構付き。どんだけ豪華やねん。
前後バランスはとてもよかったです。
リアブレーキ踏むとフロントも連動
走行性能で僕が一番癖があるなと思ったのが、リアブレーキの仕様です。
早い話が『リアを踏むとフロントも同時にブレーキが効く』です。
リアマスターからホースが前後に出ていて、フロントキャリパーに繋がっています。
踏んだ感じだとリアブレーキでフォークがぴょこぴょこ動いてしまいます。
これは粗いコントロールだとサスが暴れそうです。慣れないと怖い。
Uターンをしてみた所かなりハンドルが巻き込みます。
小旋回が苦手な人は立ちごけしそうになるかも。
ただ、そこまでガツンと効くわけではなく、弱めの設定(パッドの摩材?)になっています。
グロムのようなフロントだけカックンブレーキではないので、僕は前後バランスのフィーリングは問題なし。
ブレーキフルードのリザーバータンクがフレームの間に2つ見えます。
リアブレーキのタッチ、フィーリングはふわふわでしたが、それはエア噛みなのかそういうものなのかは定かではない。
ただ特殊な仕様だという事は間違いない。
ABSはついてないが、エア抜きやメンテを自分でやろうと思うともしかすると大変かもしれない。
多分、エア抜きぐらいは度の車両も大して方法は変わらないので大丈夫だと思いますが…
総評:買うべき人、買わないほうがいい人
このバイクの良いところ、ちょっと微妙なところ、試乗だけで分かる範囲で紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
買うべき人
- カッコいいと思った人
- ツーリングメインな人
- 性能よりも見た目を重視
- 人と違ったものがいい
- 映えを狙う人
- 遠方でも引き取りにいける人
やっぱり日本車にはないデザイン、見た目がカッコいいので人と違う物がいい人には刺さると思います。
TNT125はぜひ女性に乗ってもらいたい。
オシャレな人にはオシャレなバイクが良く似合う。
欲しいと思っても取扱店が全国10店舗しかない(2021年現在)ので、購入する際はちょっと大変。
点検や修理、メンテナンスもいちいち持って行く距離が長いと大変になってしまう。
でもそういうことでもあまり気にしない人は気にならないと思います。
自分が行った愛媛店で聞いた話では、地元より県外からの問い合わせばかり。
かなり遠方から来られる人もいる、との事。
そういう意味でもお金のことは置いといて、ツーリングでお洒落に乗りたい、人と違ったオンリーワンを楽しみたいと思う人には絶対おすすめ。
関連:Benelli取扱店
買わないほうがいい人
- 競技車両で狙っている人
- スペックを気にする人
- 安いから買おうと思った人
- 外車は高級だと勘違いした人
- 「部品供給が」と言う人
まず、このバイクは5速MTでパワーもあるけど、ジムカーナには向いてないと思う。
低速加速はノーマルグロムのほうがいいし車両重量も軽いし、カスタムパーツ類も豊富ですぐ手に入る。
スペックを気にする人はグロムを買う方が幸せになる。
これは車両価格32万(コミコミ約37万)で買える安めの原付二種バイクである。
グロムは車両価格38万(コミコミ約43万)なのでそのあたりどうなのか。
しかもメーターや各所チープな部分も多い。
値段なりと言うか中国生産、コストダウンな部分も多いと思う。そこを求めるならこれはダメ。
最後に部品供給を気にする人は買うべきではない。
壊れたらどうしよう、自分で修理する際に困りそう、手に入らないかも、耐久性は?
車検が無い分、定期的なメンテは必要になってくるからそういう所で自分で安い部品を選んで、何でもカスタムして修理もして壊れる前提で考えてる人には絶対向いてない。
日本で乗るなら日本メーカーの方が純正部品でも取り寄せやすいからおすすめ。
壊れたらベネリ取扱店に点検修理に出せばいいだけですが。
という事で、今回はベネリTNT125を試乗したレポートを紹介しました。
僕的にはドはまりで今でも欲しいぐらいですが、何台も所有するのは難題です(笑)
※購入しましたので、実際グロムと比較してみました。
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