ベネリTNT125のリアブレーキ(CBS)が最悪!安全補助装置だけど危険な理由
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バイク, 日記, 比較・検証系(雑学系)

こんにちわ、紫摩です。
イタリアバイク、Benelli(ベネリ)TNT125というミニバイクを購入して色々インプレを書いていっています。
その中で今回はこのバイクのコンビブレーキシステムのお話です。
実際に街乗りとスポーツ走行で使ってみた感想を紹介しています。
コンビブレーキの特徴は?
聞いた話によると、最近のバイクはABSかコンビブレーキが義務化されているそう。
どちらも安全補助装置ですね。
ABS(アンチロックブレーキシステム)はロックしたタイヤを電子的に解除して滑らないようにする仕組み。
そしてこのCBS(コンビブレーキシステム)は前後同時にブレーキがかかる仕組みです。
前回のブログでも紹介しましたが、TNT125はリアブレーキを強く踏むとフロントブレーキが作動する仕組みになっています。

画像はリアマスターからダブルでホースが出ています。
リア側は普通に繋がっていますが、そこからフロントキャリパーにも同時に繋がっています。
簡単に言うとリアブレーキを踏むとフロントブレーキも軽く効きます。
バランスも良くなるし前後同時に車体が沈むし、いい事ばっかりだと思ったら大間違い。
メリットとして働くのは直進状態で、バンク中は悪害になってしまいました。
フロントブレーキが同時に効くメリット

画像はフロントブレーキキャリパーです。
真ん中に一つ、これがリアブレーキを踏むと作動するピストンです。
リアブレーキ操作だけで前後が同時に効く(フロントは弱め)だと、ブレーキバランスは実はいいんです。
フロントブレーキだけで制動すると前のめりになるので、先にリアブレーキを踏んでリアサスを沈めながらフロントブレーキで制動するのがセオリー。
このTNT125は普通の信号での停止であればリアブレーキだけで事足ります。
確かにブレーキが苦手な人でもこれは安全な気がします。
ただしメリットはそれだけです。
旋回中のコントロールがかなり難しい
フロントブレーキが利くということはフロントフォークが沈むという事。
コンビブレーキシステムは直立以外では危険装置にすらなり得ます。
フロントフォークが沈むとキャスターが立って小回りします。
「いいじゃん、何が悪いの?」と思った方、甘いです。
急旋回して転倒します。

旋回入り口。
ここでリアブレーキをかけて引きずって立ち上がるのがクイックなターンのセオリーです。

するとフロントブレーキが効いて減速&フォークが沈んでいます。
キャスターが立つため、一気にハンドルが切れ込みます。
と、同時にホイールベースも短くなってかなり旋回中心(バンクの内側)に吸い込まれていきます。

転倒を回避するためにリアブレーキを離すとサスがボヨンと戻ります。
アクセルオンすると今度はTNT125のドンツキ(パンチ)が強いために、さらにフォーク伸ばす動きを強めます。
どちらも車体は起きて転倒は回避できますが、旋回終了で大きくアウトに膨らんでしまいます。
そうじゃなかったとしてもフォークがボヨンと戻ってまた沈むという最悪の状態に。
旋回中にフロントブレーキが効くと立ちごけする

クイックなターンにはリアブレーキの引きずりが肝心です。
ここから左足付きターンをするところです。

普通ならリアブレーキを強く踏むと後ろが引っ張られる感じで“リアタイヤを軸にして回る”という感じで小旋回できます。
写真は、そんな極低速時のリアを軸に〜のところでフロントブレーキが効いているまさにその瞬間です。
速度が出ていないときはかなり影響が大きいです。
フォークは沈み、ハンドルは巻き込み、フロントタイヤは転がらず止まってしまいます。

結果、立ちごけです。
よくUターン失敗してフロントブレーキをかけて止まろうとするときに似ています。
そうです、見通しの悪い交差点などでかなギクシャクしてしまいます。
低速時のコントロールで言えばデメリットを通り越して悪害装置にしかならないです。
スピードが出ているときはほとんど効果なし

今度はスピードが出ている状態ではどうかというと、連動ブレーキの恩恵はほぼなしです。
前後同時にかかるといいましたが、それは強めに踏み込んだ時のみ。
そう、通常の巡航速度での走行中にリアブレーキを強く踏むことはないですよね。
スポーツ走行でも同じで、スピードが高い時に前後同時ブレーキをかけるような操作はしません。
それなら指で前ブレーキをコントロールすればいいだけ。
リアブレーキで連動に頼る意味はないです。
パニックブレーキではどうか
試しにとっさのブレーキを想定して急ブレーキをかけてみました。
前後ブレーキを使う時は通常と変わりません。
逆にリアだけだと全く効きません。急ブレーキには制動力が弱すぎます。
はい、コンビブレーキシステムの恩恵はゼロです。
一本橋のような極低速で使うと・・・
逆に強くリアブレーキを踏むシーンと言えば低速の車体を安定させる時。
やっぱりご察しの通り、一本橋のような直立状態で強く踏んで半クラッチで走る時も悪害にしかなりません。
フロントブレーキが効いてしまうため常にフォークが暴れている状態。
早い話がトランポリン状態。
このバイクはリアタイヤだけ引きずって走ることができません。
一本橋、極低速が3倍くらいめっちゃ難しくなります。
まとめ

TNT125に限らずCBS(前後ブレーキ連動システム)は、車体コントロールというよりも停止するための補助装置です。
しかしその補助装置があるせいで、本来の車体コントロールの目的でリアブレーキを使ったり減速するときには悪害にしかなりません。
危険装置です。
CBSはカットした方が、かえって安全かもしれません。
ABSも同じで、タイヤをロックさせないためだけのもの。
走行中に効いてしまうと制動距離が伸びるうえにコントロールができなくなります。
ここ何十年もそういうブレーキ補助装置はついてなくて普通、それでもやってこれたのに、こういう装置が果たしてバイクに必要なのか疑問にさえ感じてきます。

解除は簡単、マスターから社外ホースでキャリパーに直結すれば解決です。
ABSのような電気的なものではないので簡単。
ただし、アクチュエータをメクラしたり、フロントキャリパーの交換など、対策は余儀なくされます。
かなり手間がかかるので自己責任の上お願いします。
以上、TNT125のコンビブレーキシステムのお話でした。
いかがでしたか?あなたのバイクにもCBS機能、欲しくなったでしょう?(笑)
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