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41パイフォーク用インナーバルブ(PDバルブ)のセッティングと取り付け&加工方法!オイル粘度、減衰調整の違い

YSS PDバルブ 加工セッティング 効果
こんにちわ、しまです。
ジムカーナ用にVTR250を作っていて気になったのが“フロントフォークのセッティングができない”という点。

ちょっとでも動きを良くしたいと思い、YSSの『PDバルブ』というインナーバルブを導入しました。
どういうものなのか、取り付けは?またセッティングは?
メーカーに問い合わせてみたので、併せて参考にしてください。

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YSS、PDバルブの特徴

%e3%83%95%e3%82%a9%e3%83%bc%e3%82%af%e3%81%ae%e3%82%b3%e3%83%94%e3%83%bc3リモーションをはじめ、フォーク用インナーバルブは結構いろんなメーカーから類似品が出ていたりします。
YSSのホームページによると、こう商品説明が書かれています。

ダンパーロッドに減衰調整機能を持たないフロントフォークに、カートリッジフォークのような「しなやかさ」と「腰」を与えるインナーバルブです。

YSSホームより

要は普通のフロントフォークに減衰機構を持たせるパーツと思っていいと思います。

参考:YSSホーム

圧力の違いに合わせて減衰力を変えられる

普通のダンパーロッドタイプのフォークの場合、柔らかめに合わせるか硬めに合わせるかしかない。
ヤワイ足を硬くすると、伸び側まで遅くなってしまいます。その逆も然り。

PDバルブ 分解 フォーク 減衰
このPDバルブはシム(画像一番右)に小さな穴が開いており、軽い圧力の時の減衰を担っています。

さらにその上のプリロードのネジを締め込んだり緩めたりすることで強い圧力の時に持ち上がる仕組み。
※圧側のみに効果を付けられるバルブのようです。

軽い力でのバタつきを抑えつつ、強い圧力の時はサクッと沈むフォークを作れる

PDバルブの取り付けかた

取り付けはいたってシンプル。
ダンパーロッドとフォークスプリングの間に挟みこむようにして取り付けします。
要はバネを入れる前にPDバルブを落とし込むだけです。

取り付け注意点

PDバルブ フォーク 取り付け 
僕も一回やらかしたのですが、落とし込んでから油面を合わすまでの段階でPDバルブがほぼ100%傾いてしまいます。
このまま気づかずにスプリングなどを組むときちんとバルブが役目を果たさないばかりか、最悪インナーチューブやバルブを傷つけてしまう恐れがありますので注意。

PDバルブ フォークバルブ YSS VTR250
そうならないためにもピックアップツールなどで正確に落とし込んで、きちんとダンパーロッドの上に合うようにして取り付けてください。
※この写真のようにバルブが削れてしまいます。

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100均のやつでもいいんですけどね。
僕はマグネットタイプを使ってますがインナーチューブやバネに引っ付きまわるので、3本ツメタイプのやつがいいかも?

ダンパーロッドの穴開け加工

PDバルブ ダンパーロッド 加工 穴あけ
これを使用するには加工しないといけないと説明書に書かれております。
※減衰を下げないために穴あけ加工せずに使っている選手もいるので一概には言えません。

取り敢えず説明書通りに穴あけすることにします。
純正の減衰をほぼほぼ効かなくさせるためだと思われます。

PDバルブ ダンパーロッド 加工 穴あけ
VTR250(41パイのフロントフォーク)の場合は8mm穴×6、ということは8mm穴を2つ空ける必要があります。
※その他の車種は穴の拡大をする場合アリ。

バリが残っている場合はきっちり取ってください。インナーチューブが傷つきます。

フォークカラーの切断加工

PDバルブ フォークカラー 切断加工
PDバルブを入れるためその厚み分、カラーを短くします。
数値は特に気にせず、14.5mmでオッケーです。

PDバルブ フォークカラー 切断加工 丸ノコ
切断は丸ノコ、パイプカッターなどで水平に切り出します。

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PDバルブ フォークカラー 切断加工
いくら切るかという前に、きちんと水平?直角?で同じ長さに切りそろえる方が大事でこれが難しいのです。

VTR250 フォークカラー 塩ビパイプ VTR250 フォークカラー 塩ビパイプ
塩ビパイプで代用もできますが、パイプでは厚みがある分油面を上げたときと同じ効果が出てしまいます。(空気の量が減る)

PDバルブ フォークバルブ バネ 取り付け PDバルブ フォークバルブ バネ 取り付け
ちなみに、バルブが傾いて取り付けた場合はバネやカラーが妙に飛び出します。
ピックアップツールを使ってきちんと取り付け出来た場合は、バネがこれだけ(右画像)隠れます。

フォークオイルの油面調整方法

dsc_2782
PDバルブが入るので、それの体積分フォークオイルを少なく入れなければなりません。
でも体積って計算がわから・・・

やり方は簡単!
PDバルブを先に投入し、後からフォークオイルを入れ、エア抜きした後にツールで油面を調整します。
これを後からバルブを入れちゃうとエアも混入するほか、油面が狂ってぱっつんぱっつんのフォークになっちゃいます。

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この油面調整ツールという名の注射器はかなり使うもので、定規でやっていると効率が悪すぎますな。
純正の期待値はほとんどあてにならないので、自分で見つけていくしかなさそうです。(僕は105mmでやってます。)

関連ページ:CBR125Rのフロントフォークオイル交換方法|mysimasima

加工や調整がめんどくさい場合はオススメできません

フォークバルブのセッティング

PDバルブ フォークバルブ フロントフォーク

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僕は33.5mm(41パイフォーク用)を買いました。
ダンパーロッドとスプリングの径に合う大きさ、らしいです。

バルブ自体で行えるセッティング方法は二通り。

  • シムに空いている穴の数を増やす
  • バルブのプリロードを変える.

これで簡易的に減衰調整が作れます。

フロントフォークの動きがかなり変わる

メーカーに問い合わせたところ、このバルブは腰がないフロントフォークをかっちりさせる目的で作っていて、逆に細かい減衰調整やセッティングはできないとのこと。
でも僕は思いました。「フォークオイルの番手を変えたり油面を変えることで、しょぼいフロントフォークはかなり調整幅が広がるのではないか?」と。

フォークオイルの油面を変える

油面を下げると初期でよく沈んでくれます。
でもストローク量も多くなるので底付きしやすくなります。
ダンパーロッドの穴を追加したことでかなり柔らかい方向になっているみたいです。

逆に油面を上げるとモタードのようにストロークを活かしたセッティングになります。
ストローク量も変わりますので走行シーンによって変えます。

フォークオイルの番手を変える

フォークオイルを“YAMAHA#10”から“YAMAHA#5”に下げるとものすごく柔らかいフォークになりました。
よく言えば追従性がいい。悪く言えば減衰がほぼ効かないという感じ。

逆に硬めのオイルを入れると初期ではあまり動きませんが、ハードブレーキ時には意外とサクッと沈む感じになります。
伸び側にも多少はかかわってくるので、いろいろと試してみたいです。

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プリロードを調整する

これがとにかく重要なセッティングになろうかと思います。

初期設定は『0プリから2回転締め込む』ということですが、オイル番手によっては柔らかすぎる場合があるので注意。
締め込むとハードブレーキにも粘ってくれます。緩めると全体的に柔らかいフォークになります。

自分は約4回転締めています。弱い荷重ではあまり動かないようにしています。

でもやっぱりストローク量も変わってくるので、どれがいいかは試してみないと何とも言えない部分があります。

押しバネ PDバルブ フォークバルブ
ちなみに、こういうバネを使ってもセッティングを変えることもできます。
僕はこれだとやわすぎたのでやめました。

まとめ

PDバルブ フォーク 取り付け  PDバルブ フォーク 取り付け 
一言でいうとフォークバルブは“簡易的な減衰機構”。
あまり劇的な変化はないにしろ、あるのとないのでは全然違うという印象でした。
僕が買ったものは安いやつなのですが、これはこれでいい感じでした。

フォークのバタつきが減る

ジムカーナの“回転”では進入~旋回~保持~立ち上がりという複合的な要素があり、その際にフロントフォークがバタつかれると回転半径が大きくなったり遅くなります。
じゃぁフォークオイルを硬くすれば!で解決しそうですが、それだと切り返しや直スラでの伸びの反応が遅く、向きが変わらないデメリットが出ると感じました。

あとこのバルブを組む際、当たり前ですが未調整で使うことはオススメしません。
いろいろと走ってセッティングを見つけていかなければいけないので、そういう意味では難しいかもしれませんね。

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