【焦点距離で変わる効果】こだわるなら50mm!画角の使い方と表現方法
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カメラ、写真をメインの記事 , 撮影テクニック 焦点距離
こんにちわ、紫摩(しま)です。
今回もカメラについての簡単なお話ですが、みなさん『焦点距離』ってご存知でしょうか。
単なるズームだけと思っているとちょっともったいない。
焦点距離で変わる画角とその使い方について話していこうと思います。
カメラの焦点距離とは
一般的に“焦点距離”というとレンズの焦点距離を指し、ややこしい計算式や公式があるのですが写真を撮る上では計算式なんて無視してよいです。
「レンズとイメージセンサーの距離」と覚えていただいて問題はないでしょう。これを変えることで像の大きさを変えることができるのです。
画像のようにレンズ構成によっても焦点距離が変わります。それによってマクロレンズや望遠レンズなど得意な部分が異なるのです。
画像引用:FNの高校物理
コンデジでよく目にする「〇〇倍ズーム」とかいうもの。
何倍ズームって言われたら馴染みがあるのに、レンズ付近の10-30mmとか18-140mmとか表示に関しては意味が分からない方も多いはず。
これがその“イメージセンサーからレンズまでの距離”の事で、どのレンズにも刻印がされています。
上の写真でいうと、一番広範囲が撮れる画角6.2mm~最大望遠が18.6mmという意味になります。
ただ、カメラによってセンサーサイズが違うのでこの数字だけ暗記してもダメなのです。
焦点距離が変わると画角が変わる
『画角』とは撮影できる範囲の事で、広角側は広く望遠側は狭くピンポイントの撮影ができます。(視野角ともいう)
焦点距離を変えると画角が変わるので、単に遠くのものを大きく写すというだけの単純なものではないのです。
逆に言えば、同じ場所で焦点距離を変えるだけで全然違った写真になることもあるので楽しいところ。
35mm相当の画角に合わせるには
実は、焦点距離と言ってもカメラごとのセンサーサイズによって画角が変わってしまうのです。
正しい焦点距離を知るなら35mmフルサイズ(フィルム時代の基準)に合わす必要が出てきます。
- 35mmフルサイズ 1倍
- APS-H 1.3倍
- APS-C 1.5倍
- フォーサーズ 2倍
- 1型 2.7倍
- 1/1.7 4.6 倍
- 1/2.3 5.6倍
ほとんどのコンデジは一番下の1/2.3インチというセンサーサイズなので35mmに換算すれば6.2-18.6mmを5.6倍して35-104mm(相当)という焦点距離になります。
※ちなみに僕が使っているD5300のレンズは18-140mmですが、センサーサイズがAPS-Cなので1.5倍した値、27-210mm(相当)になります。
参考記事:コンデジと一眼レフの違い!ボケ味はセンサーサイズで決まる理由|mysimasima
これからわかることは35mmフルサイズのカメラ以外は基本的に広角側が苦手ということになり望遠が得意ということになります。(装着しているレンズにもよる)
- 10mm-30mm: 広角レンズ
- 50mm: 標準レンズ
- 70-90mm: 中望遠レンズ
- 100-200mm: 望遠レンズ
- 300mm以上: 超望遠レンズ
大まかに表すとこのようになります。
一般的に使用されるのは広角から標準~中望遠まででそれ以上はコストの関係上ものすごく高価になっていきますのでマニア向けになります。
なお、コンデジはレンズが交換できないので広角から超望遠まで幅広くそろえている高倍率モデルも多いです。
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特に使いやすいのは焦点距離50mmの標準画角といわれるものです。
どのような特徴があるのか説明していきます。
『焦点距離50mm』にこだわる
焦点距離50mmとは、人間の視野に近い画角と言われていて(諸説あり)、50mm付近をカバーするレンズを「標準レンズ」といいます。
勘の鋭い方はもうおわかりでしょうか。
そう、50mmが標準というのは35mm判フルサイズでの表現であって全てのカメラに当てはまるわけではないのです。
- コンデジ(1/2.3)・・・約9~10mm
- 一眼レフ(APS-C)・・・約33~35mm
- マイクロフォーサーズ・・・約25mm
- Nikon1(1型)・・・約18.5mm
これはあくまで一例です。
※単純に50(mm)の目盛りに合わせてもフルサイズ機以外は標準画角にはなりません。
50mm付近は何がいいの
こればっかりは撮る人の好みでしょうけど、人間の視野に近いということは一番馴染みがある画角ということになります。
自然な感じを出したい、のんびりとした風景やポートレートなど使える場面が非常に多い。
あまり気にして撮る人も少ないとは思いますが、違和感なくオールマイティーに使える画角ということになります。
使いやすいが故に尖った画が撮れない
焦点距離50mm(標準レンズ)の弱点といえば尖った画になりにくいこと。
広角レンズは広がりのある壮大な感じを出すのに向いていて、望遠レンズは圧縮効果で迫力のあるズーミングが可能。どちらも見た目では感じられない画角という事で斬新な写真が撮れたりしますが、標準レンズにはその効果は無いのです。
落ち着いた自然な感じで撮れる代わりに突出した特徴がないのも事実。
カメラマンを育てる50mm単焦点
焦点距離50mmは特徴が作りにくい画角というのは説明しました。
そういう画角でいかにうまく見せるか、かっこよく撮れるかというのは結局自分の足を動かして構図を考えなければいけません。
後ろに下がったり前に寄ったりと構図を考えるようになりカメラマンの腕を育てることになります。
とくに単焦点レンズはズームができないので実用性には欠けますが、F値が比較的低い『明るいレンズ』を採用していることが多く画質がいいので撮ることが楽しくなります。
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広角と望遠の使い分け
焦点距離が書かれていないカメラ、特にコンデジなどでは今どのくらいの焦点距離かわかりません。
そこで「広角側最大」と「望遠側最大」の二つの意味を知っておけば撮影がもっと楽しくなるでしょう。
- 広角側(左)・・・この値が小さいほど被写体が小さく写る分、広い範囲が撮れる
- 望遠側(右)・・・この値が大きいほど被写体を大きく、圧縮して写すことができる
壮大に見せる広角側
広角側(小さい方の数字)の焦点距離を使うと画角が広がり、すごくダイナミックな写真を撮るときに使います。
雲がかかった夕焼けを撮るとすごく幻想的な画になります。
歪みが出てしまう
広角側は湾曲に歪んで映ることが多いので人物を撮るときにはあまり向いていません。
逆にそれを逆手に面白い表現にも使えます。魚眼レンズなどがその例ですね。
色んなメリットがある望遠側
望遠側(大きい方の数字)の特徴はズーミングできること。遠くのものを大きく写したい時に便利…
というのはもうご存知でしょうが、それだけではないのです。
背景ボケを作りやすい
広角では表現しにくいふんわりとした背景ボケは望遠側ならではの特徴。
許容錯乱円などの細かい原理は割愛しますが、簡単にボケ感を生かしたいのならズームした方が手っ取り早いのです。
圧縮効果で迫力の構図
遠くのものを手前に引き寄せる効果があるので全体的にギュッと圧縮したような構図になります。
これにより散り散りの桜も一気に満開を演出できます。
※実際は「像の一部をトリミング(切り抜き)して拡大しているため遠近感がないように見える」という表現が正しいのですが、難しいことは覚えなくて結構です。
形の歪みを抑えられる
望遠側を使うと物の形を正確に描写することができます。
特にポートレートや商品撮影など歪むと変に写るものの撮影には中望遠(50~80mm)以降を使用することが多いです。
余計な物をカットできる
商品写真、小物撮影など周りの余計な物を入れたくない場合に、望遠側にすると画角が狭くなり限られたスペースでもピンポイントで撮影できます。
このように望遠側はいろいろと使える場面が多いので一歩こだわった写真を撮ってみてはいかがでしょうか。
カメラ 焦点距離まとめ
今装着しているレンズがどれだけの範囲を撮れるのか把握していくということは撮影をもっと楽しくする上でとても重要なことなのです。
特に広角側と望遠側の他に人間の視野に近い焦点距離50mmの3点の画角を覚えておけば非常に撮影範囲が広がり面白みのある写真が撮れるようになります。
数値よりも効果
カメラによっては撮影中に焦点距離が表示されるモデルもあると思います。
しかし、コンデジなど表示されない機種も多いので数値にこだわるよりも『画角の効果』を覚えた方が早いのです。
- 広角側:ダイナミックな広がりを演出して撮れる
- 50mm付近:最も自然な見たままの画角で撮れる
- 望遠側:対象物を引き寄せて大迫力に撮れる
このように焦点距離と一言で言っても色々な使い方ができますので、ありきたりな写真ばかり量産しているならちょっと違う視点で見方を変えてみるのもいいかもしれませんね。
今回はカメラの焦点距離についてのお話でした!
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