【ZX-25Rバンパー取り付け】スライダーじゃない理由…転倒時の車体保護の技術
公開日:
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最終更新日:2023/04/06
ZX-25R(整備・カスタム), ジムカーナ関係, バイク
こんにちわ、紫摩(しま)です。
思い付きでZX-25Rを購入したので、この車両の事はあまり詳しくないです。
なので深い話は出来ませんが色々楽しんで行きたいと思います。
さて、カスタム第1弾として手を入れたのがバンパーになります。
マフラーとかスマホホルダーとかシングルシートカバーを買うのが王道カスタムではないでしょうか。
しかしなぜ今回スライダーじゃなくバンパーなのか、そのあたりわかる範囲で話をして行きたいと思います。
今回、バンパー製作をお願いしたのは愛媛県にある『バイクヘルパーハマシタ』さんです。
ジムカーナノウハウがあるバイク屋さんで、このバンパーについても詳しく教えてもらいました。
画像提供:バイクヘルパーハマシタ
バイクを転倒の傷から守るためのスライダーorバンパー
転倒時にカウルを傷つけたくないと思うのは当然の心境でしょう。
そこでKawasaki純正オプションではフレームスライダーが販売されています。
Kawasaki純正オプション。 ZX-25RのSEグレードには標準装備。 |
これを付けることによって立ちごけや転倒から車体の損傷を軽減できるというもの。
※本来の目的は割愛。
ZX-25Rの上位グレードには標準装備でスライダーがついてますね。
エンジンマウントボルトと共締めします。
それ以外にも数千円で買える安い“汎用スライダー”というものも売っています。
エンジンスライダーのメリット
- カウルを守れる
- 手軽に被害軽減
- 通販で買える
- 安い
- 見た目がコンパクト
- 樹脂で衝撃をいなす
一番は取り付けが簡単、手軽と言うメリットがあります。
ボルトを外してそこに付けるだけ。
バイクにもよりますが、ほぼ加工がいらないのがメリット。
しかも楽天やAmazonでも、何ならバイクショップにも売っているうえに、いろんな種類も出ているから購入に関しては困ることがないです。
あとは見た目がすっきりカッコいいとかマフラーに傷を付けないように、とかいろいろありそうです。
(楽天)バイク スライダー 商品一覧
(Amazon)バイク スライダー 商品一覧
スライダーのデメリット
スライダーにも良いところばかりじゃないです。
付けることによって弊害もあったりするんですよね。
- 衝撃に弱い
- ガード性能が低い
- スライダーを支点に転がる
汎用スライダーマフラー側に付けるボルトはM8、エンジンマウントに付けるタイプは太めのM10が多いと思います。
その細いボルト1本に負荷がかかってしまうのが問題なのです。最悪曲がったり折れたりします。
バイクが倒れてきた車重(瞬間的には車重+1.5倍くらいの力がかかりそう)を支えるにはちょっと細すぎます。
そしてエンジン側に折れたボルトが残ってしまうと更に厄介です。
安いものは先の樹脂部分だけがぽろっと取れたりします。
|
トリックスターはちゃんとこういう事を明記しているので良心的だと思います。
特に下の方に取り付けるタイプのものは、クランクケース自体は守れますが、タンク、アッパーカウル付近、レバー類は路面にヒットします。
スライダーを支点にグルンと横転みたいになってバウンドしてしまうのです。
置くようなソフトな立ちごけの場合はスライダーの恩恵は十分にあると思います。マフラー保護など。
どこまでガードできるのは転倒したその時の状況に左右されそうです。
ガード性能に特化した『バンパー』
一方で“バンパー”と言えば教習車を思い出すかもしれませんね。
金属フレームで主に2点〜3点留めしている物です。
こういうタイプのガードはクラッシュバーとかいうもので、クランクケースを守るものです。
ただ、今回僕が紹介するのは教習所バンパーでもスタントケージでもクラッシュバーでもなく、スポーツバンパーです。
これは転倒したときの車体保護が一番の目的ですが、追加として脚を挟みにくい、フレームにもダメージが集中しないなどトータルで守れる特徴があります。
『競技で転倒しても自走で帰れる』という意味は、深く言う必要もないでしょう。
スポーツバンパーのメリット
- 軽い
- コンパクトでカッコいい
- 硬いだけじゃなくしなりもある
- 転倒時でも車体を守れる
※スポーツバンパーと言う通称は僕が勝手に言っているだけです。
まずは走行に支障をきたさないような、張り出しも少なくかつしっかりガードできる最低限の大きさです。
両方合わせて2〜3kgぐらいです。
この最低限の大きさは一方でデメリットでもあります。
見た目も大事。
コンパクトなのでフォルムを崩さずカッコいいです。(個人的見解)
あと、バンパーと言えどしなりや衝撃のいなし方も考慮されているそう。
一点に集中するわけでもなく、フレームにもダメージが行かないような構造らしいです。
デメリット
- 高い
- 作っている所が皆無
- 完璧な保護はさすがに無理
- カウルカットが必要(フルカウル車)
- 見た目がダサい(人による)
- 取り付け不可能な車種もある
- バイクによっては足を挟む
バンパーはフレームスライダーとは違って車種専用品になります。
そして現車合わせが基本になるので、作っている所へバイクを持ち込んで(輸送もあり?)のワンオフ製作になります。
職人の手作りなので当然、費用は割高(5万〜9万?)になってしまいます。
そもそもバンパーを制作している所がほぼ無いです。
知っている所で言えば、パワーバンド木村(PBK)さん、SSBさん、愛媛のバイクヘルパーハマシタさん、です。
当然ながらスポーツバンパーは小ぶりなため、完全に車体を守ることは不可能に近いです。
実際僕も転倒してレバーやらアッパーカウルなどに損傷が出ました。
それでも大きな損傷はないので、このバンパーの恩恵は計り知れません。
あとサーキット走行などは装着が禁止されているのでしょうか?そのあたり詳しい人いますかね。
ZX-25Rにバンパー取り付け
さて、ここからはバイクヘルパーハマシタさんが撮ってくれた写真をもとに、取り付けを紹介していきます。
BHA(バイクヘルパーアーマー)というその名の通りバイクを守ってくれるガードです。
フルカウル車は取り付け部分の関係でカウルカットも入ってくるので、ネイキッド車よりも割高になります。
それ以上に、このバイクはかなり大変な作業になったそうです。
左側はレギュレーター(写真シルバーの部品)があるのでもうここに決まってしまいます。
下側はエンジンマウント(スライダーを付ける部分)を使うのは分かっていましたが、上側は取り付けるところがほぼないそう。
写真は車体右側。
左側と同じような位置にしようと思うと、こちらはラジエーターホースが邪魔してしまいます。
これ以上、上も下も前後も取り付ける場所はないということになります。
そうなってくると今度はこの上下の間隔が狭すぎてガードできる範囲が無くなってしまうとのこと。
切り欠きタイプのバンパー
そこで上部分は切り欠きタイプとし、中間地点で繋ぐような仕様になっています。
それを防ぐために位置を高くしようとずらすと今度は下側、クランクケースやペダルがヒットします。
かと言ってバンパーを張り出してしまうとスラロームで当たってしまうし、そもそも見た目がかっこ悪くなってしまうので、結局この位置しかありません。」
バンパーを付けるとブレーキペダル、シフトペダルもギリギリ回避できます。
転倒しても復帰して走行可能。
フレームスライダーでこの角度を保つのは不可能です。
おわかりでしょうか、ZX-25Rは一応リアスライダーが無くてもタイヤとバンパーで支えているので隙間ができています。
※社外マフラーに交換した場合はこの限りではないです。
CBR400RR
CBR400RRも作ってくれました。
エンジンマウントとフレームに当てて3点保持。
上から下までアールがついた形状。
4気筒は幅が広いので、転がった時にもカウルやクランクケースやハンドル周りへのダメージを回避できるように作っているそうです。
VTR250
VTRは車体が細いので張り出しているように見えますが実はこれも結構狭いです。
そのため角に当たって転がるような状態になってしまう事が多いです。
CBR125R
CBR125Rもこのような小ぶりなバンパーがカッコいいです。
転倒でアッパーカウルを少し削るような感じになってしまう事もありました。
高さと幅の兼ね合いって難しいのですね。
転倒時、バンパーが路面に当たる位置
転倒時、バンパーのどこにヒットすれば効率的なのかと言う所も教えてくれました。
赤丸・・・一番初めにヒットする位置
青丸・・・転がって受け流す位置
とのこと。
これが位置が狭かったり低すぎる場合は青丸部分しか当たらず被害が大きくなります。
やはりバンパー製作している所にしか分からないノウハウなんでしょう。
バンパーはしなりが大事
よく『フレームにダメージが及ぶのでは?』といった不安の声も聞くのですがそのあたりはどうなんでしょうか。
サブフレーム部分が長い場合もしなってくれます。」
実はバンパーは硬いけどしなる構造なんです。
画像引用元:BMW.com
転倒時フレームが折れ曲がったり損傷が増えるため基本的にはお断りしている。」
とのこと。
オフロードバイクのような細身の車種もつけない人が多いです。
バンパーに緩衝材を挟むのは逆効果
こんな感じでフレームに衝撃が行かないように、傷がつかないように、とスポンジを挟みたくなりますが逆効果になります。
フレームと密着させたほうが衝撃が全体に分散されて、実は車体もバンパーもどっちも曲がらないのです。
次に負荷が強いのがサブフレームが通る後端。
捻るような衝撃が通ります。
ここはそこまで負荷は強くないので、取り付けフレームが曲がるという事はよっぽどのことが無い限りないそうです。
ここまで聞くと、こうしたバンパー製作している方々の大変さが分かるから、ワンオフの金額も安く思えてくるのです。
まとめ
上側切り欠き部分も可能な限りカウルに近づけて、見た目も損なわないような工夫がされています。
今回はカウルを外す際の支障が出ない範囲で隙間をギリギリまで詰めています。そっちの方がカッコいいから(笑)」
作ってくれたハマシタさんのこだわりが見えて、量産を考えてない芸術の域です。
僕はスライダー装着を否定しているわけではないです。
むしろフルカウル車にバンパーを付けようと思う方が変わってるぐらい?
普通に乗るなら汎用スライダーの方が現実的ですから。
逆にこの記事を読んで気になった人ならバンパー装着も視野に入れてもいいかもしれませんね。
あ・・・僕の装着の理由は立ちごけ対策です。(笑)
今回はZX-25RにBHA(バイクヘルパーアーマー)バンパー取り付けの紹介でしたが、その他でも近場で作っている所があれば問い合わせてみてください。
【リンク】
(東京都)パワーバンド木村(PBK)さん
(ネットショップ)SSBさん
(愛媛県)バイクヘルパーハマシタさん
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Comment
どうもこんにちはー
バンパーについてわかりやすい記事まとめてくださってありがとうございます。
気づいたのですが、SSBさんのサイトへのリンクが間違っているようですよ?
正しくはここになるみたいです。
こんばんは、コメントありがとうございます。
ご指摘もありがとうございます。
またリンクを貼り直しておきますね!