ZX-25Rカスタム:スプロケット『フロント13T』締め付けトルクと必要な工具、加速インプレ
公開日:
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最終更新日:2021/09/28
ZX-25R(整備・カスタム), バイク
こんにちわ、しまです。
スプロケット交換。
このバイクのメジャーなところで言えばリアスプロケットを2丁下げの48Tにするか、純正サイズでサンスターやXAMなどの社外品に交換する人が多いですよね。
ノーマルの鉄より軽くなるので足回りのドレスアップと軽量化が期待できます。
でも僕はそれじゃなくて、フロントスプロケットの方です。
目的はジムカーナ競技での低速のトルク不足解消を求めて。
フロントスプロケット交換方法
ドライブスプロケット、エンジンスプロケット、、、。
丁数変更、13T、13丁、いろいろ呼び方がありますね(笑)
フロントスプロケット(ドライブスプロケット)を交換するにあたっていろいろ工具と準備が必要になってきます。
ちょっと簡単にはいかないかも。
リアスプロケット交換はドレスアップで目立つので、走りに興味がない人は是非どうぞ。
スプロケット交換の前にしておくこと
フロントのスプロケット1丁はリア3丁分、と言われていますね。
手軽に加速や巡行回転数を調整できます。
作業自体は手順を踏めば初心者の僕でもできたので大丈夫。
まずは車体左側からスプロケットカバーボルト(8㎜)を三つ外します。
狭いので長めのエクステンションがないと難しいです。
スプロケットワッシャの曲がった部分を平らにします。
自分は貫通ドライバーを使いました。
ここは車種によって取り付け方が様々で、CBR125Rやグロムなどの小排気量車であれば10㎜ボルト2本ですが、ZX-25Rは27㎜ナットひとつ。
127N・mで留まっていることから、小さい手工具では外すことができません。
長い柄の工具か、インパクトレンチか。
まぁまずインパクトレンチなら間違いないでしょう。
しまは、このインパクトレンチを使っています。
軽いしパワーも十分。
スプロケットのナットも外せました。
これ以上小さいパワーのものは無理かもしれません。
リアアクスルシャフトを緩める
リアは割ピンが入っているのでそれを伸ばして外します。
一応再利用は出来ますが、新品に交換しましょう。
24㎜と19㎜ソケットを使います。
割ピンでもベータピンでもアフターパーツでも何でもヨシ。
ノーマル14Tから13Tに換えてみて
今回はサンスターの13Tを取り付けます。
ジムカーナと言う競技は8の字やUターンなどのハンドルをめいいっぱい切って速度もそれなりに落ちた所からのフル加速の繰り返しです。
低速トルクが弱いのは言わずもがな。
フルロックターンだと4000rpmを下回ります。
そこからのアクセルオンをしたところで一瞬息継ぎのようになって、押し出しどころか、車体が起き上がってくれません。
それじゃ転倒のリスクもあって危ないねという事で、とりあえずフロントスプロケットの丁数を1つ下げて加速寄りにしようという話。
こちらが13Tスプロケット。
ノーマルから1丁上げて15Tにすると巡行回転数が下がるので街乗り重視に。
逆にリアタイヤを回すトルクはノーマルより少し弱くなります。
向きは、段付き側を内側に向けて取り付けます。
ナット側は平らな面を。
フロントスプロケットナットを締める前に、ワッシャーとネジ部分にモリブデングリス塗ります。
恐らくかじりつき防止、さび付き防止だと思われます。
各ボルトナットは規定トルクで締め付けて終了
リアアクスルナットは割りピンを差し込むようになっているので、穴を合わせて締める必要が出てきます。
トルク-リアアクスルナット:98N・m
規定トルクで締めた後、穴が合ってない場合は30度以内で締める方向に回す。
ちょっとすぎている場合はもう一度緩めて締め直す。
割りピンは再利用可能だと思いますが、新品をお勧め。(上にリンク貼ってます)
トルク-スプロケットカバーボルト:9.8N・m
最後はフロントスプロケットの締め付けで終了。
リアブレーキを踏みながらトルクレンチを使いましょう。
トルク-エンジンスプロケットナット:127N・m
加速は最高に良くなったがその分街乗りがやりにくい
まず一番のメリットは最終減速比が変わる事によって、トルクが強くなります。
これで苦手だった極低速での力が増して回転数が落ち込んでもそこから吹け上がるようになりました。
さらに小旋回中の回転数が上がるのでエンスト気味になっていた状態から、半クラッチ無しでもフルロックターンができるようになりました。
一方デメリットは、二つ。
まず、エンジンブレーキが強烈にかかる事があげられます。
ギア比が変わるため、加速がよくなる反対で速度の落ち方も急激になって、体感的にはエンブレがきつく感じます。
リアタイヤがホップして滑りやすくなったりターンの速度が落ちすぎて逆にタイムが出なかったりすることがよくあります。
もう一つは巡行回転数が上がる事で街乗りの燃費が悪くなったり振動や音によって疲れたりするかもしれません。
こちらがノーマルの情報。
6速、60キロ巡行で5587rpm。
1速での加速度が8.23m/s²。
こちらが13Tスプロケ変更後。
6速、60キロ巡行で6018rpm。
1速での加速度が8.92m/s²。
4気筒の伸びやかな加速、速度の伸びはそのままに、さらに下からぐいぐいくるパワーが出た感じ。
これが単気筒バイクにはないメリットかなと思います。
山道は高いギアで安全に登れるし、下りは適度なエンブレが効いてくれます。
やっぱりこれだけでも加速や巡航速度はかなり差が出てきますね。
まとめ
ノーマルのギア比はよくできていて、加速と巡行回転数のバランスはとてもいいです。
特に気にならない人はそのままの方が絶対いいです。
ジムカーナの競技でもスプロケットを下げて加速寄りにすればタイムが速くなるという事も言い切れません。
加速は良くなってもエンジンブレーキが強くなったり速度の落ち込みが大きかったり、そもそも乗りにくくなったりすることで、結果的にタイムが伸びなかったりするため。
ZX-25Rでジムカーナをしてみようと思う方は、このフロントスプロケット13Tも視野に入れてみるといいと思います。
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