【安いオイルと高いオイルの違い】バイク用エンジンオイルは粘度だけで選ぶのがダメな理由!
公開日:
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最終更新日:2016/07/08
バイク, 比較・検証系(雑学系), 車
こんにちわ、紫摩(しま)です。
エンジンオイル交換って実はかなり重要なメンテナンスなのに、ついめんどくさくて“ないがしろ”にしてしまいがち。
僕が四輪に乗っていたころとバイク用と、いろんなエンジンオイルを使ってみた違いや変化などを書いていきたいと思います。
※メインは
エンジンオイルの基礎知識:硬さの違い
エンジンオイルの交換で一番違いが現れるのはオイルの硬さが挙げられます。
- 0W-20
- 0W-30
- 5W-30
- 5W-40
- 10W-30
- 10W-40
- 10W-50
- etc・・・
オイルには硬さの違いがある事を知っている前提で話を進めますね。
Wの左が“低温時での固まり難さ(粘度)”を表していて、右が“高温時での耐熱性”を表します。
0Wならサラサラ、25Wならドロドロ。
●●W-20より●●W-50の方が高温時に粘度を保ちやすいという決め事です。
右の数字の決め方
オイルは熱を加えると粘度が下がり保護性能などが弱くなるとします。
その熱に対しての粘度維持力が高いオイルは番手(数字)が大きくなり、高性能という意味になります。
オイルが高温になりやすい環境、例えばスポーツ走行したり大排気量車、ターボ車、高回転エンジンにはここの数字が大きいオイルを使うなど…
正確に言えば比例して硬いオイルになることが多いので、いたずらに番手を上げても意味がない。
街乗り程度では●●W-20や30くらいで十分というのは何となくおわかりでしょうか。
左のWの数字が小さいほうがいい?
対してこちらは低温時での硬くなりにくさを表します。
※常温のオイル粘度の高さと考えたらわかりやすいかと思われます。
オイルは硬くなると燃費の悪化やレスポンスも悪くなって実用性に欠けます。
キック始動のバイクなんて特に違いが分かると思います。
単純に言えば数字が小さければ小さいほどサラサラで粘度が低いということ。
粘度が低いと抵抗が少ないので、“燃費が良くなりエンジンもよく回り、冬場での始動性もいい”とメリットが増えます。
じゃぁ極端な話、0Wが偉いのかというと必ずしもそうじゃない。
サラサラオイルは高温時に油膜切れを起こしやすいというデメリットが生じます。(特に夏場)
エンジンをブン回すチューニング車両は熱量も高くなるので、エンジン保護を最優先に20Wなんて硬いオイルを入れたりしていました。
逆にサーキットで0コンマ1秒を削るワンチャン用でサラサラオイルを使うことも多いのですが。
その他にサラサラだと古い車両のピストンのクリアランスや摩耗を埋めるだけの“密封性”(粘度)がない為、あまりオススメはされてはいないのです。
画像引用元:HONDAウルトラオイル
安いオイルと高いオイルの違いと換えた効果
基本的な知識はこれくらいにして、じゃぁオイルの品質の違いでどのように変わったのか紹介していきます。
※四輪ではKeiワークス(18年式)、二輪はCBR125Rでの個人的レビューです。
10Wから5Wに変えてもあまり体感できない
冬場の始動性なんて寒冷地じゃないとあまり変わらないし、燃費もそこまで大差ない。
日頃の走り方の違いでほとんど相殺されてしまうのが大半。
吹け上がりについてはほぼ効果なし。
特に軽量バイクはガソリンの量と体重の方が大きく影響します。
新車や高年式の車両に使った場合は特に変化なしです。
※古いバイクやチューニング車両はこの限りではない
オイル粘度はやっぱり5Wの方がサラサラ感はあります。
特に気にしない方は『夏場に10W-40、冬場に5W-30を使う』という認識でよいかと思われます。
オイルの製法は全化学合成油がいい
オイルの製法はあまり気にしなくてもいいですが、こだわる人には重要な部分ではないでしょうか。
- 鉱物油
- 部分合成油
- 全化学合成油
基本的にこの3種類に分けられていて順に高価になっていきます。
これの違いは粒子が荒いか、細かいかだけじゃなく、化学合成油になれば耐熱性を上げるためにいろんな添加剤が入っていたりするのです。
そのため鉱物油に比べて全化学合成油の方がはるかにオイルライフが長くなりました。(僕の場合)
鉱物油なら2000kmでもアウトのところが5000km交換まで余裕だったりします。
オイル劣化が少ないということは高温時や高回転時にも強く油膜を形成してくれるので、エンジン保護性能が高いことになります。
全化学合成油なら柔らかくても保護性能が高い0W-50なんてマルチグレードオイルも作れます。
古い車両には鉱物油じゃないとダメという都市伝説
古い車両に全化学合成油のオイルを入れると「シールを傷めてオイル漏れするから使うな」という話がありますが、そんなことは無い。
添加剤がゴムを痛める、確かに一理あるといえばそうなのですが、それ以外の経年劣化などの理由が強く関係しています。
結論でいえば“特に気にする必要はない”という感じです。
安いオイルは油圧が安定しない
油圧=エンジン内を回っているオイルの圧力。
安いオイルは交換当初はよくても、交換時期が近づくにつれてアイドリング時(990rpm)の油圧が1.0khPa以下になっていたこともしばしば。(これって深刻なんです)
対してアッシュの10W-40(VSE)を入れた当初2.0hkPa付近から交換時期が近づいても油圧1.0khPa以上は保っていました。
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4Lが1000円以下の無名メーカー鉱物油オイル(10W-30)を入れたときとの差は歴然。
10W-40はもともと硬めのオイルではありますが、それより重要なのが油圧の安定です。
ポリマーが入っていると最初はよくても熱ダレしやすくオイルの劣化が早かった印象です。
エンジンの事を考えるなら油圧も気にしてみてください。
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四輪と二輪のエンジンオイル交換サイクル
メーカーの取扱説明書に書いてあるオイル交換サイクルはあまりあてになりません。
確かに間違いはない。ただ、鵜呑みにするのは危険です。
CBR125Rは『1万キロごともしくは1年ごと』という指定ですが、僕は激しく疑問。
走る環境だったり走行シーンや乗り方など、全く同じ状況なんてない。
エンジンオイルの交換距離はあくまで目安にしかなりません。
- 四輪:3000km~5000km
- 二輪:1500km~3000km
(シビアコンディション時)
四輪はエンジンのみを潤滑するのに対し、二輪はミッションやクラッチも同時に潤滑させています。(一部例外あり)
そのうえオイル容量も四輪に比べると少ないため、オイルの劣化が早くて交換サイクルも短い。
バイク用には高性能のエンジンオイルが使われているのもそのためです。
高回転まで回る(回す)エンジンはオイルのせん断も強いので、オイル色を見て早めに換えたほうが無難でしょう。
まとめ
上の画像、ペーパーでふき取るとそこまで汚くはなさそうですが、これはもう十分交換時期です。(4000km)
エンジンオイルの選び方や違い、比較などを簡単ですがまとめてみましょう。
- 神経質な人はいいオイルを入れるべき
- 全化学合成油は基本的に高耐久・高性能
- 高いオイルでも街乗り性能は変わらない
- 古い車は何入れても漏れる
- 極端に安いオイルは控える
こればかりではありませんが、安すぎない“普通のオイル”なら十分普段乗りで使えます。
ただ、それはきちんとオイル管理している場合に限ります。
安くてもいいので早めの交換を
「早く換えるのは無駄」とネットでは騒がれていますが、実際のところ交換は早いに越したことはない。
基本的に高いオイルだと長持ちするといわれていますが、逆に劣化したオイルを使い続けるメリットは無いと僕は思います。
ひどいエンジンノイズを聞けば誰だってオイル管理がずさんな車両かそうでないかぐらいはわかりますよね。
オススメのバイク用オイル
→(楽天)ホンダオイル G2 商品一覧
安いもので選ぶなら「メーカー純正オイル」が一番安心して使える部類。
部分合成油ですが街乗りからツーリングまで幅広く使える感じ。
バイク用で1600円/Lの価格も魅力的。
→(楽天)カストロール Power1 商品一覧
部分合成油でメジャーなカストロール。
品質や性能的にはG2とほぼ変わらないくらいで安いのも魅力。
高性能オイルの入り口でいえば同じくカストロールのパワー1レーシング。
始動性と高回転のフリクションロスを抑えた高性能オイル。
価格がちょっと高いですが全化学合成油の品質がいい。
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四輪用のオイルになりますが、価格と性能のバランスがいいオイル。
『粘弾性オイル』という事で最初の油圧は十分に高いですが、劣化していくのがちょっと早い気がしました。
→(楽天)アッシュ(A.S.H)オイル 商品一覧
とにかく超寿命なオイル。
ポリマー(増粘剤)を使っていないので劣化が少なくレスポンスもいい。
ものによりますが、若干二輪用が高い感じ。
ちょっと街乗りのみで使うにはもったいないか?
オイル選びもバイクメンテの一部なのでしっかり吟味してください。
ということで、エンジンオイルの違いと選び方でした!
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