HYPERPROサスペンションは辞めた方がいい?僕がすぐ外した理由とノーマルフォークスプリングとの決定的な違い
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バイク, 商品購入系 レビュー&インプレ, 比較・検証系(雑学系)
こんにちは、紫摩です。
ハイパープロのフォークスプリングが沼過ぎてまた外しました。
ノーマルスプリングに戻して悩み全解決になった話です。
以前のフォークスプリング取り付けブログは、下記リンクを参考にしてください。
ハイパープロスプリングの特徴
このスプリングの特徴は何度も言っているのでかなりシンプルにまとめます。
- 不等レート
- 『柔らかすぎず、硬すぎず』
- 軟らかさと硬さを両立
- 強い衝撃で踏ん張る
ACTIVEの見解はリンクからどうぞ。
実際使ってみると素人の僕にはうまく扱えませんでした。
ジムカーナなどの競技、低速走行、峠や街乗りで使って色々試した結果、僕の感想を解説します。
“不等レート”が好き嫌いが分かれる所
このスプリングはかなり太い鋼材が使われていてそもそも硬いです。
さらに不等レートと言ってスプリングの線間ピッチ(巻きの隙間)が違っていて、狭い部分が柔らかく、広い部分が硬いという変わったスプリング。
なのでサスペンションが沈むと極端にレート(反発力)が高くなるというもの。
逆にプリロードを緩めれば緩めるほど柔らかくなると思いがちですが、結果は『最初だけズコンと沈んで途中からほぼ沈まない』です。
セッティングで調整できないぐらい変わってしまう
乗り方ひとつで動きがガラッと変わってしまう事から、厳密にセッティングする意味がないです。
コーナリングを主とした練習系走行には不向きです。
更にフォークオイル量をかなり減らし、突き出し量を10㎜出すということで、静止時(1G)から前下がりな状態にしてしまう仕様なので、ハンドリングが急に切れ込んできたりトレール量が減少し、フロントタイヤの接地感が弱くなるなど、危険とも思える状態になることが考えられます。
柔らかさと硬さは両立できない
このスプリングの一番の売り文句が以下の通り。
目の細かい(軟らかい)部分が路面の細かなギャップを吸収し、乗り心地を向上させます。
徐々に反発力を増して、走行上の理にかなったスムーズな沈み方をします。
リニアレートスプリングと違い、軟らかさと硬さを柔軟に両立させる事ができるため、高負荷時には最後まで踏ん張ります。
独自の不等ピッチで巻かれ“コンスタントライジングレート”というバネレートを持つハイパープロスプリングは、ストローク初期にはソフトに路面に反応して快適性を保ちます。そしてフルブレーキングやハイスピードコーナリング時などのストローク末期には立ち上がるように大きくなるバネレートでしっかりと踏ん張ります。
また、末期レートに設けられた安全マージンが底付きを防ぎ、タイヤのロックを抑制。この“コンスタントライジングレート”は車種別に設定され、継ぎ目のないバネレートがスムーズな乗り心地をも実現します。
引用元:ACTIVE
確かにフルブレーキ時の底付きを防ぐマージンや踏ん張りが出ると言うのは合ってます。
急ブレーキでのABS介入が減り、制動距離が短くなって安全に停まれるように感じます。
ただ一方で上記のオレンジ色で印をつけたところが疑問点。
- 乗り心地は良くはない。
- 徐々にではなく一気に反発する。
- 柔らかくはない。ただ硬いバネ。
- スムーズな乗り心地ではない。
沈むと跳ねる
硬いスプリングなので終始反発していて、細かい段差を拾って跳ねます。
大きい段差だと体が浮くぐらい更に跳ねます。
サスペンションが沈んだと思ったらすぐ壁に当たるようなそんな短いストローク量になります。
そして今度はバイン!と一回戻ってきます。調整しても変わりません。
このため、フロントの動きに落ち着きがなく、いつ吹っ飛ぶかひやひやしながら乗ることになります。
しなやかなフォークとは程遠いです。
海外視点のパーツは日本では使いにくいのか?
ここまで見ると、急制動や強い衝撃や大きい段差での底付き防止に重きを置いたスプリングという事のように感じました。
メーカーもコーナリング目的に作っているとは一言も書いてません。
ここが素人の僕らが誤解するポイントかなと思います。
ハイパープロ社はオランダ製。
欧州では高速巡行が当たり前だったり、もっと直線が長かったりするのかもしれません。
実際に高速道路が無料だったりしますし、ドイツでは法定速度がない区間もある。
ただ、ここは日本。
コーナリングありきでしかも細かい路地や低速走行も坂も多い。
高速巡行での安定性を求めたらこれでいいんでしょうが、日本での走行を考えるとかなり使いにくい、乗りにくい車体になります。
しかも設定が75kg基準なので、僕のような低身長で短足、ガリガリライダーには合わなくて当然なのかもしれません。
それならノーマルの純正スプリングでよくね?って思います。
まとめ
“日本人向けにチューンナップされたサスペンション”という謳い文句で販売しているACTIVEハイパープロ。
たしかにハイパープロのリアサスは僕好みです。
不必要なストロークを減らし、車体姿勢を安定させつつ追従性を確保。
スッと沈んでグンと粘るリア周りで、旋回が落ち着きますし切り返しなどが驚くほどリニアに感じました。
バイクがリアサス周りを軸に動いているということを感じられます。
ただ、フロントフォークスプリングは全く逆。
不等レートにしたことで乗りにくく曲がりにくく、乗り心地も悪い。反発して跳ねてハンドルが巻き込んだり前タイヤが滑ります。
更にフロントタイヤのトレール量など、変化させてはいけない部分にも影響が出るので、間違ったセッティングを進めると危険にもなりえます。
ということでやっぱり車種純正の2段レートスプリングって、かなりいい線を突いているんだなと改めて思いました。
僕の話が嘘だと思うなら実際にハイパープロフォークスプリングを試してみた方が分かりやすいと思います。
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