補修用FRPでエアロを自作!ハーフスポイラー製作と加工内容を詳しく紹介!
ワンオフハーフスポイラー(ハーフエアロ)を自作しました。FRPの使用方法と作業内容を紹介します。
少し手間はかかりますが、オリジナルのエアロをつけるのは人と違って、楽しいものです。
FRPとは?その使用方法を説明
FRPとはファイバー(F)レインフォースド(R)プラスチック(P)の頭文字をとった略語で
その名のとおりガラス繊維を補強に使った樹脂の事で、車のバンパーやボートやサーフボードなど結構いろんなところに使用されている強化プラスチック。
耐久性は非常に高く、成型や加工がしやすいので補修用としても非常によく用いられています。
その反面、強い衝撃が加わわったり曲げモーメント(ひねったり曲げたりする力)に弱く
一気に割れてしまう弱点があります。
補修用で使う場合、ABS樹脂などとは相性が悪くほとんどくっつかないので注意が必要。
使用方法と必要な物
FRPはガラス繊維を樹脂で固めた素材。
その固める側の樹脂にもいろんな種類がありますが、ほぼ一般的に使われるのがこのポリエステル樹脂です。
強度と値段とのバランスがよく、仕上がりがきれいな透明や白色などありますが、アメ色が一番安いです。(加工用ならアメ色で十分)生成の違いかな?
これに硬化剤を1~2%混ぜて使用します。(多く入れると硬化速度が早くなるため作業により変えていく事)
結論から言うと樹脂は1kgでは足らなかったです。
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ガラスマットに樹脂を塗る
ガラスマットに樹脂を塗っていくことによってそれが固まり形を成型していくのです。
ハケやヘラで薄く延ばしてそれを何層にも重ねていくことで強度が増します。
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ガラスマットは小さい修理キットなどカー用品店やホームセンターでも売っていますが、本格的にやろうと思ったらメーター切り売りで買ったほうが断然お得。
※結局何層も重ねる事になるので、僕は切り売りしか買ったことありません。
もちろんFRP補修する前は足付けと脱脂を忘れずに。
樹脂を多く盛っても強度は上がりませんので繊維とのバランスでやっていきましょう。
※樹脂と繊維の間にエアーが入っていると極端に強度が弱くなりますので注意。
壊れたバンパーからエアロを作製
事故(自爆)でフロンとエアロを破損してしまいました。こういう割れ方するのもFRPの特徴。
純正バンパーなどは粉砕せずちぎれるか曲がるだけなのですが、FRPはガラス繊維の為に粉々に割れます。
さて、エアロの下側を切り取り、フロントバンパーに合わせて加工していきたいと思います。
ガムテープで純正バンパーに仮付け
こんな感じで剥ぎ取った破片(それっぽい部分を見つけて)を裏からガムテープでぺたぺた貼っていきます。この段階では適当でいいのです。
こちら側(運転席側)、バンパーとの隙間があります。
このままじゃありえないのでFRPで作っていきます。作っては削っての繰り返しです。
上の写真左右で幅が違うので広げたところです。右の黒い部分が元のところ。
時にはこのようにFRPを箱状に貼り合わせて一から形を作らなければいけないこともあります。
FRPを盛って板金パテで成型
ハーフエアロを作るにしてもポリエステル樹脂は3kgは欲しいところ。
ガラスマットは1m単位で買ってもそんなに高くはないです。
最初は適当に形を作って削って整えるという感じなのでサクサク進めていきましょう。
板金パテの80番(粗め)でどんどん盛っていってください。
ここではチマチマやっても形なんてできないので失敗を恐れず一気に行きましょう。
※エアーツールや電動工具があればスムーズに進みます。(手作業だと嫌になるかも)
FRPを削るときはグラインダーでバリバリいっていただいて結構ですが、絶対マスクをしてください
※ガラス繊維を含んだ粉を吸うと気管支に悪いです。
底は見えないので適当でもいいのですが、ある程度の補強がほしいのでここにも貼って作っていきます。(まっすぐがいいならダンボールで押さえておきます)
乾燥時間は夏場で30分、冬なら1日程度。硬化時間が遅いなら硬化剤を多く入れます。
パテを削って形を作っていきます
だらだらやっていたのでここまで作るのに1~2週間かかっています。
こういう成型系はパテは80番の粗めパテでだいたい済ませます。
そのあとに中目、細目パテで仕上げる感じですね。
ペーパー番手は#100~#240がいいでしょう。
削っていくと高いところはFRP樹脂が出てきてしまっています。
低いところはパテで埋めて平滑を出すのでいいのですが、高い一部分はもったいないですが削らないといけません。
まっすぐな部分は当て板を使って研ぎ、角などのアール部分は手の腹や指の腹で丸く仕上げていきます。
パテ部分に穴が空いていたら?
パテを練りこむときに入った空気がこうして巣穴として穴になってしまうのです。
どうしてもこういう成型系では空気を逃がすように盛るのが難しいので巣穴ができるのは仕方ないかもしれません。(粗いパテほど多い)
この写真、バンパー落としてヒビ入れてしまいました…
薄付けパテで巣穴を埋める
画像は一例ですが、薄付けパテとか仕上げパテとかいう物で巣穴を埋めていきます。
これをしないと仕上がりでばれます。
厚付けパテだとどうしても粗いので細かいパテで表面をきれいにしていきます。
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アンダーパネルを作る
底部分にアンダーパネルを取り付けることによって整流効果と見た目の向上と段差で擦ったときの保護が期待できるので、ついでに製作していきます。
ダンボールに印をつけてそれを型紙にします。後はプラスチックダンボールやFRPやカーボンなどにあてがって切るだけです。
純正バンパーとの仮組み
いったん形を作って仮組みします。
ここで隙間があればその部分を追加したり、当たっていれば削ったりと現車確認で作業を進めます。(この作業が長い・・)
気になっていつまでたっても終わらないのです。(性格が出ます)
成形終わればサフェーサーを吹く
形が運良く完成したらもう大詰めです。
カー用品店でスプレーパテなるもがありますのでこれを塗ります。
※いわゆるサフェーサーの役割です。
市販のサフェーサーは、塗装屋さんが使っている2液タイプのものに比べすごく塗膜が薄いので傷を埋めたり巣穴を埋める効果が低いのです。
そのためこの塗膜が厚いスプレーパテを塗ります。(そのまま上塗りもできる。)
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細かい傷や巣穴を埋めるため、全体にスプレーパテ(サフェーサー)をまんべんなく塗ります。
ここまでできましたら後は水研ぎをして塗装を残すのみです。
塗装の前に巣穴はないか、パテの割れやヒビはないかよくチェックしておきます。(この時点でのやり直しはまだできますので)
塗装して終了
完成です♪今回は塗装がテーマではないのでここは簡単に終わらせます。
色を塗るとなぜかパテのひずみやらアラが目立ってしまうのです。
作業中は艶がないのでわかりにくいだけです。こればっかりはセンスと慣れでしょう・・・
関連記事:ホイール塗装のコツ|mysimasima
関連記事:ラップ塗装にチャレンジ!|mysimasima
自作なのでフィッティングはいまいちです。左右で形が微妙に違います。
でもまぁ、ましには見れるかなレベルですね。
塗料は“日本ペイント”の2液タイプを使用しています。
keiワークスを知っている人が見ると「ん???」となりますね。
バンパーが10型NA純正に加え自作ハーフエアロなので“ワークス”っぽく無いのがまたいい感じ。
・・・と、自慢しても読者は楽しくありませんのでまとめに行きましょう。
まとめ
- FRPはガラス繊維の補強で固めた樹脂のこと。マスクをして粉を吸わないように注意して作業することを忘れずに。
- グラインダーやエアーツールで要領よくスピーディーに削って、たまに穴が空いてしまったら裏からFRPを貼って補修。
- パテは厚付け→中目→薄付けと段階を追って使用する。(巣穴を消していくという理由もある。)
- エアロの作製は仮組みが重要。着けては外しの繰り返しできれいに仕上げていく。
- 防塵マスクとゴーグルは必須。
ここまでDIYでやるにはそれなりの道具と場所が必要になってきますので手作業では限界があると思います。
FRPの補修くらいなら補修キットで十分間に合うと思いますが、バンパー製作となるとメーター単位のガラスマットと3kg以上の樹脂が必要になってきます。
DIYもすごく楽しくて達成感がありますので小物からやってみてはいかがでしょうか?
という事で今回はFRPの補修作業工程の紹介でした。
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