19年ぶりに復活!『ホンダS660』価格と装備がハンパない!ビートの後継機としてスペックはどう変わった?
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比較・検証系(雑学系), 車
こんにちわしまです!
ついに一般販売が公開されました、ホンダS660!
ビートの後継機が出る?出ない?と巷で騒がれていましたが、ついにホンダから往年の2シーター系スポーツが帰ってきました。スペックや価格などを紹介していきたいと思います。
ホンダ S660という名の軽スポーツ
なぜ僕がここまで熱くなっているかといいますと、今このご時世スポーツカーが流行らなくなり空前のエコカーブーム。
各メーカースポーツモデルはあるにしても『高級』路線で、一昔前の走ってナンボ、峠を走って楽しいライトウェイトスポーツといった車なんて僕の知る限り新車ではゼロ。
ダイハツでコペンが出ていますが、あちらはスタイリングや飾ってかっこいい車、デートカーという印象。
NISSAN-GTR(R35)をはじめ、スポーツカーはスーパーカー的な高級車になってしまいました。
軽スポーツ『ビート』の歴史
ビートとはホンダが1991年~1996年の間バブルの景気に乗り販売していたオープン2シータースポーツで、660ccの自然吸気エンジン(NA)をリアミッドシップに搭載したNSXのミニチュア版。
4輪独立ストラット、4輪ディスク、クイックなハンドリングと特徴的なメーターを惜しげもなく搭載した走ることに特化した軽スポーツ。全高も1,175mmで当時のスポーツカーの中でも特に低い車高でまるでカートのよう。
ホンダの特徴でもある高回転エンジンで8,500回転まで回るものは今では存在しません。その軽スポーツはかつて『ABC』という名で流行っていました。
A…AZ-1(マツダ)※
B…ビート(ホンダ)
C…カプチーノ(スズキ)
※マツダAZ-1はスズキ「キャラ」のOEM車。
バブルの崩壊とともにスポーツカーブームは去り、次第に軽スポーツは姿を消していった歴史があります。彼らはスポーティーモデルではなくガチのスポーツカーでした。
ビートの後継機 S660
その惜しまれつつ生産終了したビートが、19年ぶりに2015年4月に『S660』という車になって帰ってきたのです。パパさんにはうれしいニュース!
正確にはビートとは無関係なのですが位置づけやデザイン、コンセプトがビートの後継機になります。
これは2011年の東京モーターショーに出ていたEV STERという車がモチーフになっています。
S660のデザインや性能
気になるデザインとスポーツカーには切っても切れない性能(スペック)を見ていきましょう。
LEDヘッドライト
パッと見はビートに見えなくもないですが、最近のホンダ車というデザイン。ストリームやアコードもこんなシャープなヘッドライトをしています。4灯LEDヘッドライトとLEDポジションランプ。
もう現代の車はLEDヘッドライトが主流なのでしょうか、惜しげもなく左右で4灯も配置。四角という事でNSXのリトラクタブルライトに似ている?気がする。
リアミッドシップエンジン
フェラーリやランボルギーニと同じリアミッドシップエンジン。駆動方式はMRになります。リアビューがカッコいい!
特にハイマウントストップランプのあたりがスーパーカー彷彿させるデザインで男心をくすぐります。テールライトもオールLEDで繊細なイメージ。
今までのような「LEDテールにしたんだぜ!」という後付け感を感じなくて済みます。
センター出しマフラー
軽自動車では珍しいセンター出しシングルマフラー。これもまたスーパーカーのようなデザイン。
メーカーはあえてスポーツサウンドを意識しているらしく専用のサイレンサーを使っているとの事。
ターボチャージャーの音、ブローオフバルブの音、マフラー排気音などを音響特性チューニングをして乗って楽しい仕様にしています。
リアビューはシビックユーロRのような外観でちょっと丸いかなという印象ですが一昔前のスポーツカーに比べれば斬新という感じでシャープ。
フロントよりもリアの方がカッコいい気がする。
専用タイヤ
ちょっとびっくりしたのがタイヤです。アドバン ネオバAD08です。
アドバンネオバとはハイグリップタイヤの代名詞といえるタイヤで、サーキットでタイムを削るため幾度となく改良されてきた歴史あるタイヤ。
知っている人は『ネオバ』といっただけで伝わるほどの高性能タイヤです。
写真を見たとき「あーこういうタイヤがおすすめなのか」と思ったのですが、なんと純正でネオバを履かせているという豪華っぷり。
しかもMRならではの前後異形サイズでフロント165/55R15 リア195/45R16というもの。
軽自動車のタイヤサイズって165が一般的ですがリアには普通車シビックtypeR(EK9)と同じサイズ。
それをこのS660は純正で履いているというからその本気度がうかがえると思います。
車内デザインと仕様
外観やエンジンに力を入れて内装まで手が回らないのが過去のスポーツカーの特徴。
ですがこのS660は内装も、ものすごくこだわっているのです。
デザインもNSXを思わせる造りになっていてまるでこれが軽自動車とは到底思えません。
- アナログタコ、デジタルスピードメーター
- 6MTショートストロークシフト
- アルミペダル
- プッシュエンジンスターター
- セミバケットレザーシート
全ては紹介しきれませんが僕が感動したところを紹介します。
スポーツマルチメーター
スポーツカーになくてはならないもの、それはタコメーターですよね。
エンジン回転数を表示するという事はとても大事でデジタルが主流ですが瞬時に把握できるという意味ではアナログタコに軍配が上がります。
中央に大きなデジタルスピードメーターを採用。
僕のCBR125Rもこのタイプなのでその視認性というのはよくわかります。
時計や燃料、トリップなど必要な情報をまとめたマルチメーターになっています。レッドゾーンは7,000回転で以前のビートよりは回転数は落ちているといったところでしょうか。
すごくこだわったシートポジション
ワゴンRやアルトなどのスポーツモデルでは物理上無理な部分がこのシートポジションでしょう。
足を伸ばした感じの、ドライビングに特化したポジションでペダルを前に押す感じになります。
さすがスポーツカーというところでしょうか、前後重量配分も45:55でほぼ半々。S2000やRX-7などの50:50には及びませんがそれにしてもこの重量配分は安定性にすごく貢献していそうです。
腕の可動域に合わせた6MTシフトレバー
軽自動車で6MT(6速マニュアル)を採用しているのは、コペンとこのS660だけ。(2015年3月現在)昔から6速は出ないのか?という意見もあったほどで軽自動車に6MTは贅沢すぎる。
しかも人間工学に基づいて腕の可動域にシフトレバーを配置することでストレスなく操作ができるとメーカーが謳っておられます。
この図ではシフトの位置をイメージ化したもので、S660は体に近く高い位置にあるという感じ。
S2000は体より離れていてシフトがとても高い位置にあるので手首でひねるだけでシフトチェンジできるというイメージ。しかも肘を必要以上に締めなくてよいので力が抜けていいのですが、それをS660に求めるのは室内スペースに限りがあるという事なのでしょうね。
しかしギア比もクロスさせたりとここまで細かい部分にもこだわって設計してくれているのも昔とは違い高いクオリティという感じがします。
S660のスペックを見てみる
S660のエンジンスペックと寸法、重量のスペックを見ていきたいと思います。
この数値でこの車種の特徴がよくわかりました。
エンジンスペック
駆動方式 | MR |
型式 | DBA-7WS |
ミッション | パドルシフトCVT/6MT |
エンジン型式 | S07A水冷直列3気筒 |
最高出力(PS/rpm) | 64/6000 |
最大トルク(kgf・m/rpm) | 10.6/2600 |
弁機構 | DOHC 吸気2排気2 |
内径×行程(mm) | 64.0×68.2 |
圧縮比 | 9.2 |
使用燃料 | レギュラー |
燃料タンク(L) | 25 |
これの特徴は一言でいうとマイルドでフィーリング重視のエコスポーツといったところでしょうか。『内径×行程』という部分がボアストローク比というのですが、ここの行程の数値が内径より大きいのでトルク重視。
反対に行程が少ないと高回転パワー重視ということになります。
最大馬力と最大トルクの発生回転数を見てみてもすごく低回転でMAXになっていることから、街中でのストップアンドゴーやワインディングを気持ちよく走ったりとトルクですいすい走る感じの車だという感じがします。
寸法、車重
全長×全幅×全高(mm) | 3395×1475×1180 |
ホイールベース(mm) | 2285 |
トレッド(mm) 前/後 | 1300/1275 |
最低地上高(mm) | 125 |
車重(kg) | 850(CVT) 830(MT) |
室内寸法(mm) | 895/1215/1020 |
走行燃料消費率(km/h) | 24.2(CVT) 21.2(MT) |
こちらのスペックからわかることはホイールベースが短いという事。
- keiワークス(2008年) 2360mm
- ワゴンR(2014年) 2425mm
- コペン(2014年) 2230mm
- アルトターボ(2015年) 2460mm
- ビート(1996年) 2280mm
- カプチーノ(1995年) 2060mm
- AZ-1(1995年) 2235mm
カプチーノのホイールベースは異常ですが、基本的に最近の車は車内スペースをとるためにエンジンや車軸を伸ばしていく方向がメジャー。その分直進安定性が増すのでふらつきが減ります。
ホイールベースが短いという事は旋回性能がいいのでコーナーリングがクイックになります。
それと分かるのが車重が重いこと。
補強や剛性やパーツをてんこ盛りにつけた結果スポーツカーにはあり得ない830kgという重量級マシンに。カプチーノなんて690kg、アルトワークス(1997年)に至っては650kgという超軽量。
やはり重いとスタートダッシュや加速、最高速、ブレーキング、コーナーリング、燃費など走りの面でデメリットが生まれます。
そのかわりもっさりとした走りがS660のキャラクターの安定感というかクルージングには合っているのかもしれません。
価格
α(上級グレード) | 2,180,000円 |
β(ベーシックモデル) | 1,980,000円 |
コンセプトエディション | 2,380,000円 |
これを見てもわかる通り、非常に高級な軽自動車という事が分かります。今まで軽で150万超えていたら高いといわれてた時代から、車両価格だけで200万超える時代に。
さらにオプションや諸経費、税金などを含めるとβですら250万を超える可能性も出てきます。これをどうとらえるかはあなた次第という事でしょうか。
まとめ
というわけでホンダからビートの後継機S660のスペック等を見てきたわけなのですが、率直な感想、イメージを申し上げますと『ABC時代のようなぶっ飛んだ走りには向かない』という印象。
アルトワークスやカプチーノや、もちろんビートなどは軽くて走って楽しい、カスタムして楽しいといったスポーツカーという存在を身近に感じられたのですが、このS660は高級すぎる上にエンジンパワーや発生回転数などを見てもかなりマイルドになっていて、かっとびというよりはクルージングをのんびり楽しむという車ではないでしょうか。
当然走っても楽しいと思うのですが、いかんせんビートとキャラクターが似ているようで全然別物だったことに驚きを隠せません。
ただ、デザインはものすごく現代的でスーパーカーを彷彿させるので所有感を楽しむ、優越感に浸れるというこれだけでも価値があると思われます。
という事で小さな高級車、ホンダS660の個人評価でした!
参考:HONDAホーム
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